リバキナがハレプに圧勝で決勝進出「今日の私はメンタル的に準備ができていた」 [ウインブルドン]

写真は快勝で初のグランドスラム決勝進出を決めたエレナ・リバキナ(カザフスタン)(Getty Images)


 今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月27日~7月10日/グラスコート)の女子シングルス準決勝で第17シードのエレナ・リバキナ(カザフスタン)が第16シードのシモナ・ハレプ(ルーマニア)を6-3 6-3で退け、グランドスラム初優勝に王手をかけると同時に四大大会のシングルスで決勝に進出した初のカザフスタン人選手となった。

 試合を通してアグレッシブな姿勢を保ったリバキナは、この日もトレードマークのパワープレーに時折ドロップショットなども混ぜながら要所でネットにも出る揺るぎないプレーぶりで勝利に向けて突き進んだ。

「素晴らしい試合だった。シモナは偉大なチャンピオンで、過去にもタフな試合を何度も戦ってきた。今日はよく集中できたし凄く安定したプレーができたから、自分のパフォーマンスに物凄く満足しているわ。とても堅固なプレーができたと思うから」とリバキナは試合後のオンコートインタビューで語った。

「もちろん緊張はしていた。でも、ここまでの試合が助けになったと思う。コート1で初めて2試合を戦い、今日は初めてのセンターコートだった。コート1での雰囲気に慣れていたから、ここでも大丈夫だった。満員の観客が応援してくれて緊張もしたけど、勝つことができて本当にうれしい。私は今日、メンタル的に準備ができていた。本当にしっかりしたプレーができたし、すべてをうまくやったと思う」

 ロシア生まれのリバキナはカザフスタンが与えてくれる財政的な援助を理由に2018年に国籍をカザフスタンに変えており、そのため今回のウインブルドンに出場することができた。ウインブルドンはロシアのウクライナへの軍事介入を理由に、今回はロシア人選手とベラルーシ人選手の参加を禁じていた。

「皆がここでプレーしたいと思っている。彼らは生まれる国を選べなかった訳だから、(出場を許されなかったロシア人選手たち)はかわいそうだったと思う」とリバキナは話し、自分はカザフスタンに国籍を変えて幸運だったと認めた。

「いいタイミングだった。カザフスタンは選手を探しており、私は援助を求めていた。彼らは私の力を信じてくれた。いいコンビネーションだったと思うわ」

 一方で敗れたハレプは悪いタイミングでダブルフォールトを犯すなどサービスが冴えなかったこの日の試合を振り返り、「ここ3ヵ月で私のサービスは大いに向上したけど、今日は以前に戻ってしまったように感じた。ダブルフォールトが多過ぎたし、弱すぎたわ」と歯がゆさを滲ませた。

「もしも今日もっとサービスがよかったら、(結果も)間違いなくもっとよかったでしょうね」

 リバキナは決勝で、2児の母でもある34歳のタチアナ・マリア(ドイツ)を6-2 3-6 6-1で破って勝ち上がった第3シードのオンス・ジャバー(チュニジア)と対戦する。ジャバーはアラブ人としてだけではなく、グランドスラム決勝に進出した初のアフリカ大陸出身の女子選手として歴史に名を刻むことになった。

「素晴らしい試合になると思う。彼女のドロップショットは曲者だけど、私はこの決勝を存分に楽しむつもりよ」とリバキナは決勝を見据えた。

「決勝でも緊張するでしょうね。誰だってセンターコートで決勝をプレーするときはナーバスになるはずよ。でもこれは私にとって、(緊張した中でも)安定感を保ってメンタル的に強くなるためのチャレンジなの」

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写真◎Getty Images

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