ジョコビッチの優勝をコーチのイバニセビッチが称賛、キリオスを「テニスの天才」と評価 [ウインブルドン]

写真は男子シングルス準々決勝をスタンドで見守るゴラン・イバニセビッチ(クロアチア)(Getty Images)


 今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月27日~7月10日/グラスコート)の男子シングルス決勝で第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)がニック・キリオス(オーストラリア)を4-6 6-3 6-4 7-6(3)で倒して7度目の優勝を決めたあと、ジョコビッチのコーチで元ウインブルドン覇者でもあるゴラン・イバニセビッチ(クロアチア)が喜びを口にした。

「ノバクはここの優勝候補だった。大会前、彼は本当に信じられないようなテニスをしていた。でもそれでもやはり、実際に戦って大会に勝つ必要がある。それは簡単なことじゃない」とイバニセビッチは語った。

「でもグランドスラムはグランドスラムだ。彼は今や21のタイトルを手にした。そして彼は、本当にそれを得るに値する」

 それと同時にイバニセビッチは、初のグランドスラム決勝を戦いジョコビッチを第4セットのタイブレークまで追い詰めたキリオスにも称賛を惜しまなかった。自分自身が選手時代にビッグサーバーであっただけなく気性の荒さでも知られ、コートでの暴言で罰されることも少なくなかったイバニセビッチがキリオスに親近感を抱いたとしても不思議はない。

 現役時代のイバニセビッチは何度も(1992年、94年、98年)ウインブルドン決勝に至りながら敗れていたが、皆がもはや彼の優勝を期待しなくなっていた2001年、もう直ぐ30歳というときに最初で最後のグランドスラム制覇を果たしていた。

「ニック・キリオスに対して試合の準備をすることはできない。キリオスはテニスの天才だ。彼自身、自分が次のポイントで何をプレーするか知らないだろう」とイバニセビッチはキリオスを高く評価した。

「我々はノバクが何をやるか、ノバクがやるべきこと、彼が注意しなければならないことに気持ちを集中させた。相手がニック・キリオスのようなサービスを打ってくるならそうするしかない。私の意見ではキリオスが断トツでテニス界最高サーバーだ。彼は非常に予想がつきにくい、信じられないような選手だよ」

 キリオスはリターン力で定評のあるジョコビッチに対して30本のサービスエースを決め、試合全体で62本のウィナーを記録した。

「彼に対して作戦を立てることは不可能だ。戦略はない」とイバニセビッチは繰り返した。

「世界最高のリターナーであるノバクが15分の間、彼のサービスに触ることすらままならなかったんだ」

 ジョコビッチはキリオスと対戦した過去2試合で一度もブレークできていなかったが、この日はわずかなチャンスに付け込み4度あったブレークチャンスのうち2つをものにした。

「重要なのはノバクがしなければならないことに集中し、あの強烈なサービスに対処するためにちょっとしたチャンスに食らいつくことだった」とイバニセビッチは振り返った。

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写真◎Getty Images

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