ジョコビッチがキリオスを倒して7度目のウインブルドン優勝「勝つたびにその意味は大きく特別なものになっていく」

写真は決勝を戦い終えて健闘を称え合うノバク・ジョコビッチ(セルビア/右)とニック・キリオス(オーストラリア)(Getty Images)


 今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月27日~7月10日/グラスコート)の男子シングルス決勝で、第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)がニック・キリオス(オーストラリア)を4-6 6-3 6-4 7-6(3)で倒して大会4連覇を達成した。

 ジョコビッチが四大大会でチャンピオンに輝いたのは昨年の同大会以来で通算21回目(全豪9回、全仏2回、ウインブルドン7回、全米3回)となり、ロジャー・フェデラー(スイス)をひとつ上回って男子の最多記録を持つラファエル・ナダル(スペイン)にあと1勝に迫った。

 ウインブルドンで7つ目のタイトルを獲得したジョコビッチはピート・サンプラス(アメリカ)らと並び、彼らより多く勝っているのは男子最多の8勝を挙げているフェデラーのみとなっている。

 自らのダブルフォールトもあって第5ゲームをブレークされたジョコビッチは第1セットを落したが、その後は体勢を立て直してキリオスの目覚ましいショットがちりばめられたこの試合を4セットで制した。ジョコビッチはリターン力を上げただけでなく、その豊かな経験と重要な瞬間の勝負強さで違いを生み出し、少ないチャンスを掴んで相手のサービスゲームを破ることで勝者として浮上した。

 大会を通してジョコビッチは頻繁に第1セットを落していたが、その都度レベルを引き上げて逆転勝利をおさめてきた。

「この大会、このトロフィーが自分やチーム、家族にとってどんな意味があるのか、言葉で言い表すことはできない。これまでも何度も言ってきたが、これは常に僕の心の中でもっとも特別な大会なんだ。僕にモティベーションを与え、かつて両親がレストランを営んでいたセルビアの小さな山岳地帯のリゾートで、僕がテニスをしたいという気持ちにさせた大会だった」とジョコビッチは表彰式で語った。

「僕は4歳半か5歳で、1992年に初めてウインブルドンで優勝したピート・サンプラスを観たんだ。僕は両親にラケットを買って欲しいと頼んだ。僕にとって最初に観たテニスのイメージは、グラスコートとウインブルドンだった。僕はいつもここに来ること、このコートでプレーすることを夢見ていた。それからこのトロフィーを勝ち獲るという子供時代の夢を実現したんだ。勝つ回数を重ねるたびに、その意味は大きく、さらに特別なものになっていく。だから僕はは凄く幸せだし、このトロフィーを手にここに立てることに心から感謝している」

 一方で独自のきらめきを見せて何度も観客を立ち上がらせたキリオスは、同じく表彰式の際にジョコビッチについて「彼はちょっぴり神のような存在だ。嘘はつかないよ」と王者を称え、「僕は自分がいいプレーをしていると思った…。僕個人にとっても、素晴らしい数週間だった」と言い添えた。

 まだ10代だった2014年にウインブルドンで準々決勝に進出して最初の脚光を浴びた27歳のキリオスにとって、これは初のグランドスラム決勝進出だった。キリオスは2014年から今まで何度も刹那の輝きと脱線を繰り返してきたが、その才能で常に一目置かれてきた選手でもある。

「ニック、君はまた戻ってくる。ウインブルドンだけでなく、他のグランドスラム決勝でもね。このようなタフな敗戦のあとに、慰めの言葉が見つからない。君は、特にこのサーフェスで世界トップの一人であることを証明した。君と君のチームには、今大会の素晴らしい結果に対しておめでとうと言いたい。心から今後の幸運を祈るよ」とジョコビッチはキリオスに暖かい言葉を送った。

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写真◎Getty Images

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