ティームが復帰後初のベスト4進出、次はベレッティーニ [スイス・オープン]
ATPツアー公式戦の「EFGスイス・オープン・グスタード」(ATP250/スイス・ベルン州グスタード/7月18~24日/賞金総額59万7900ユーロ/クレーコート)の男子シングルス準々決勝で、元世界ランク3位のドミニク・ティーム(オーストリア)が予選から勝ち上がってきたフアン パブロ・バリーリャス(ペルー)を6-4 6-3で下して今季初となるベスト4進出を決めた。
前週のバスタッドで復帰後のツアーレベル初勝利を掴んだことで、ティームに復活のスイッチが入ったようだ。失っていた自信を取り戻した28歳のティームは今、順調に復帰への道を歩み始めた。彼は持ち前の強力なストロークで世界115位のバリーリャスを圧倒し、試合の主導権を手放さなかった。
「僕は昨日いい試合をし、今日もそれを繰り返すことができた」とティームは試合後のオンコートインタビューで語った。
「あまり気に入らなかったこともある。5-2から自分のサービスゲームを迎えたのに、そこできちんと終えることができなかった。1年半ぶりの準決勝がかかっていたから少し緊張したんだ。ランキングを上げるためにはポイントが必要だ。緊張感に打ち勝つことができてうれしかったよ」
右手首を負傷して約9ヵ月間の戦線離脱を余儀なくされたティームは3月末の復帰後も勝てない日々が続いたが、前週のバスタッドで2勝して準々決勝に進出していた。長期離脱で彼のランキングは一時300位以下に落ち、現在は少し持ち直して274位につけている。ランキングの動向をリアルタイムで伝える新しいATPライブランキングでは、195位となった。
この時点で次の相手が決まっていなかったティームは、「明日は自由な気持ちで試合に臨めるよ。とにかくベストを尽くすだけだ」と準決勝に目を向けた。
「先週バスタッドに行ったときはあそこで準々決勝に進出し、ここで準決勝に至るなどと期待してはいなかったんだ。本当に本当にいいことであり、この進歩をうれしく思っている」
今大会で先週見せたいい兆しを裏付けたティームは準決勝で、第5シードのペドロ・マルチネス(スペイン)を3-6 7-6(5) 6-1で破って勝ち上がった第2シードのマッテオ・ベレッティーニ(イタリア)と対戦する。
ベレッティーニも右手のケガと手術でクレーコートシーズンをスキップしたあと、新型コロナウイルス(COVID-19)に感染してウインブルドン欠場を余儀なくされてからツアーに戻ってきた。彼は第2セットのタイブレークで1-5とされて一度は敗戦の淵まで追い詰められたものの、そこから6ポイントを連取してセットオールに追いつくとその勢いに乗って第3セットでは相手を圧倒した。
「ときに、それがテニスだ。クレイジーなスポーツだよ。(タイブレークで)1-5になったときはもう終わりかと思ったけど、そこからふたつのいいポイントをプレーして3-5となり、『よし、やってみよう』と思ったんだ」とベレッティーニは試合を振り返った。
「ここで自分のベストマッチをプレーしたとは思わないけど、いいプレーをしていないときにも勝つというのは重要なことだ。自分の中に奮起するためのエネルギーを見つけることができ、切り抜けることができて本当にうれしいよ」
対戦成績で3勝2敗とリードしているティームに対する準決勝について、「ドミニクは素晴らしいキャリアを送ってきた選手だ。彼はグランドスラム大会で優勝し、それからケガをしたけど今は復活しつつある」とベレッティーニは話した。
「今日は彼の試合を部分的に見たけど、彼は本来のレベルを取り戻しつつある。だから厳しい試合になるだろう。僕たちは過去に常に素晴らしい試合をしてきたから、明日もいい試合になると思う」
もうひとつの準決勝は、キャスパー・ルード(ノルウェー)とアルベルト・ラモス ビノラス(スペイン)の顔合わせとなった。ディフェンディング・チャンピオンで第1シードのルードがジャウメ・ムナール(スペイン)に7-6(3) 7-6(4)で競り勝ち、第4シードのラモス ビノラスは予選勝者のニコラス・ジャリー(チリ)との接戦を7-6(4) 4-6 7-6(8)で制した。
写真◎Getty Images
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