同性愛者であることをカミングアウトしたカサキナが周囲の反応にうれしい驚き

写真はダリア・カサキナ(ロシア)(Getty Images)


 WTAツアー公式戦の「ムバダラ・シリコンバレー・クラシック」(WTA500/アメリカ・カリフォルニア州サンノゼ/8月1~7日/賞金総額75万7900ドル/ハードコート)に出場中のダリア・カサキナ(ロシア)が、同性愛者であることをカミングアウトしたあとの好意的な反応に感動しているとWTA(女子テニス協会)に語った。

「SNSのフィルターの仕組みはよく知らないけど、いいことしか耳にしていないわ。それも西洋の国からだけでなく、私の母国からのコメントも好意的だったのよ」

 カサキナはカミングアウト後に友人たちからのサポートのメッセージは予想していたが、プレーヤーコミュニティのよく知らない選手たちからも応援メッセージを受け取ったことに驚いたと明かした。

「テニス界で、少なくとも女子選手同士の間ではバックグラウンドやアイデンティティが何であろうと皆が非常に協力的で支え合っている。このようなことについて批判が聞かれることは決してないわ」とコリ・ガウフ(アメリカ)は語った。

「私は彼女が気まずさを感じることなく自分の人生の一部をシェアしてくれたことをうれしく思い、感謝している。彼女にそうする義務はなかったというのに。でも同じ状況にいる多くの人々が、彼女のその行為によって勇気をもらったんじゃないかと思うわ」

 大坂なおみ(フリー)もまた、サポートの言葉を送った。カサキナと言えば、股抜きショットが打てずに苦労していた大坂にわざわざ打ち方を伝授してくれた親切なツアー仲間だ。

「彼女がやっていることは素晴らしいと思った。それは危険な状況でもあり得るから、私たちは本当に彼女をサポートしなければならないと思う。でも何より彼女がカミングアウトし、信じていることしっかり支持する姿勢を取ったのは本当に素晴らしいことだと思うわ。私は常に、そのような行為をサポートしている」

 カミングアウト後も、人々の彼女に対する接し方は変っていないとカサキナは話した。サンノゼでは、彼女のガールフレンドでフィギュアスケートのオリンピック選手であるナタリア・ザビアコ(ロシア)が彼女のボックス席から試合を見守る様子が目撃されていた。

「私はより自由で幸せだと感じている。私は正しい一歩を踏んだと思う。(ロシアが戦争中という)世界情勢も考えるとすべてが厳しい状況だけど、今でなければいつ?という感じでそれらすべてを同じプールに入れようと思ったの」とカサキナはカミングアウトしたことを振り返った。

「自分がもう大人で、十分に成熟していることを認識しなければいけないときだったのよ。私はもう18歳ではないし、自分が若くてまだ時間があるなんて考えることはできない。私は25歳で、今こそ行動を起こさなければならない。ここ数年で積み重ねたものをすべて見せなければならないの。これからは何かを得るよりも与える段階だと思うわ」

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写真◎Getty Images

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