セレナがヴォーグ誌のエッセーで引退を示唆「私には『次』への準備ができている」

写真はナショナルバンク・オープン女子シングルス1回戦でのセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)(Getty Images)


 世界でもっとも影響力のあるファッション誌『VOGUE』に掲載されたエッセーの中で、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)が今年のUSオープンを最後に引退するかもしれないと仄めかして世界を嘆かせている。

「想像できることの中でもっとも難しいことです。終わって欲しくないけど、同時に次の準備はできています」とセレナはそこに書いた。エッセーのタイトルは、『もっとも難しいこと(The Hardest Thing)』だった。

 40歳という年齢を考えれば驚きの発言ではないとはいえ、それでも多くの人々が驚き、悲しんだ。セレナはテニスツアーから去ることについての話題は楽しいものではないが、自分の業績には満足していると語った。

「私にとって、この話題には幸福感はありません。私が目指しているものを表現するのに最適な言葉は『進化(段階的変革)』です。私はテニスから離れ、私にとって重要な他のことに向けて進化していこうとしていると言うためにここにいます」とセレナはエッセーの中で述べた。

「時が経つにつれて、人々が私のことをテニスよりも大きな何かを象徴する存在と見なすようになることを私は願っています。私はビリー ジーン・キング(アメリカ)を尊敬しています。何故なら彼女は自分のスポーツを超越したからです。私もそうなりたい。『セレナはこういう人でああいう人で、それに加えて彼女は偉大なテニスプレーヤーでグランドスラム大会で何度も優勝してきたんだよ』というふうに」

 セレナはまた、もうひとり子供が欲しいと思っていることをエッセーの中で明かした。夫であるアレクシス・オハニアンとの間に娘のアレクシス オリンピア・オハニアン ジュニアが生まれてから、もうかれこれ5年になる。

「昨年に私とアレクシスはもうひとり子供を持とうとしていましたが、最近になって医師から準備ができたときにはいつでも家族を増やせると感じさせてくれるような気持ちを楽にさせてくれる情報を受け取りました。私は間違いなく、まだアスリートでいる間にふたたび妊娠したくありません。テニスの経歴を築くか家族を築くのかを選ばなければならないなら、今の私なら後者を選びます」

 トロントの大会で1回戦に勝ったあと、セレナは娘がコートサイドから自分の試合を見守ったのはこれが初めてだったと明かし、「娘にとって、その思い出を持つのはいいことよ。私は本当に幸せだったわ。それに『(娘が見ているから)ラケットを叩きつけたりしちゃダメ。落ち着くのよ』という感じだったかしら」と試合後にうれしそうに話していた。

 エッセーの中でセレナは「残念ながら、今年はウインブルドンで勝つ準備ができていませんでした。ニューヨークで勝つ準備ができているかもわかりません。でもトライするつもりです。それに繋がる大会は楽しいものになるでしょう」と綴り、直接的な言葉を避けながらもかなりはっきりと引退が間近に迫っていることを匂わせながらファンに向けて感謝の言葉を送った。

「私はさよならを言うのが得意ではありません。世界最悪かもしれません。でも私が言葉で言い表せないほど感謝の気持ちでいっぱいだということを知っていて欲しいのです。皆さんは私を本当に多くの勝利、本当に多くのトロフィーへと導いてくれました。私は“テニスをプレーする女の子”というバージョンの自分がいなくなること寂しく思うでしょう。そして皆さんに会えなくなると寂しくなります」

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写真◎Getty Images

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