ナダルがシンシナティから夏のハードコートシーズンをスタート「プレーするすべての大会に全精力をつぎ込むつもり」

写真は記者会見でのラファエル・ナダル(スペイン)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦の「ウェスタン&サザン・オープン」(ATP1000/アメリカ・オハイオ州シンシナティ/8月14~21日/賞金総額697万1275ドル/ハードコート)でラファエル・ナダル(スペイン)は自分が優勝し、同時に世界ランク1位のダニール・メドベージェフ(ロシア)が準々決勝に進出できなかった場合に世界ナンバーワンに復帰するチャンスを擁している。

 大会前にインタビューを受けたナダルは、「世界1位に上がるチャンスを手にするというのは僕にとって大きな意味があることだ。そんなことがふたたび起こるなんて期待してはいなかった。もっとも大切なのは健康を保ち、プレーしたいと思う大会でプレーするということだ。自分の体にいいと思える範囲以上のプレーはしないつもりだよ」と語った。

「僕は自分がプレーするすべての大会に全精力をつぎ込むつもりだ。ナンバーワンになるチャンスがあるかどうかは問題ではないけど、このポジションに身を置けることをうれしく思うし、もしそれが実現したら凄く幸せだろうね」

 2013年大会チャンピオンのナダルが同大会でプレーするのは、2017年以来のこととなる。彼は腹筋のケガで棄権を強いられた先月のウインブルドンを最後に公式戦でプレーしておらず、USオープンに向けた夏のハードコートシーズン最初の大会に臨むことになる。

 上位8シードは初戦がBYEで免除されており、第2シードのナダルは2回戦で予選を勝ち上がってきたロレンツォ・ムゼッティ(イタリア)とボルナ・チョリッチ(クロアチア)の勝者と対戦する予定になっている。

 試合勘と鋭さを取り戻すには時間と辛抱強さが必要であるということを認識しているナダルは、「久しぶりに戻ったときというのは、物事が完璧に進む訳ではないということを知っておく必要がある。最初から素晴らしいレベルでプレーすることは期待できない。まずは最初の試合に勝つために、その時点でできることを駆使して戦う謙虚さが必要なのだと自覚していなければならないんだ。そのあと1~2試合に勝てば状況は変わり、ふたたび競争力を感じ始めることができる」とコメントした。

「もしいいプレーをしていれば――僕もそこそこのプレーをしていると思うんだけど――、コートでの感覚はよくなる。でも大会での試合はまた別物であり、困難な状況になることを受け入れなければならない。それがATPマスター1000の大会なら尚更だ。復帰する際にそれがグランドスラム大会であってもドロー運がよければ高いレベルでプレーできなくても1~2試合に勝つチャンスはある。でもマスターズ大会では最初から厳しい相手と当たるから、高いレベルが要求される。僕がこの大会でやろうとしていることはそれなんだ」

 ナダルはまたケガについて、「僕は腹筋に小さな肉離れを起こしていた。だから危険なんだ。サービスを打つたびにそこに負荷がかかるから、腹筋は危険な場所なんだよ。僕は物事を適切に進めようとしており、もう少し慎重になろうとしている。ここでプレーする準備ができていることを願っているよ」と説明した。

「僕はふたたびツアーでテニスがしたい。僕はいいシーズンを送ってきたし、それを楽しんでいる。僕はシンシナティでの今週を楽しみたいんだ」

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写真◎Getty Images

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