ナダルが鼻の打撲と出血のショックを乗り越え天敵フォニーニを倒して3回戦へ [USオープン]
今年最後のグランドスラム大会「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月29日~9月11日/ハードコート)の男子シングルス2回戦で第2シードのラファエル・ナダル(スペイン)はファビオ・フォニーニ(イタリア)を2-6 6-4 6-2 6-1で克服したが、第4セットの途中で鼻筋から出血を引き起こすというアクシデントが起きた。
体を伸ばしてバックハンドを打った際にラケットがコートに当たって跳ね返り鼻にぶつかるという事故が起きたとき、ナダルはすぐさまプレーを止めるとコートサイドにある自分のベンチの前に行って地面に横たわり、メディカルタイムアウトを取った。
「強い打撃だった。酷い衝撃があったから、最初は鼻の骨を折ったんじゃないかと思ったよ。非常に強い痛みがあった。頭の感覚がなくなったというか、頭がくらくらしたんだ。ちょっと意識が飛んだ感じだった。まだはっきりとはわからないけど、折れてはいないようだ。腫れが酷くなってきているように思う」とナダルはのちに説明した。
ショッキングな出来事ではあったが、試合後のナダルはジョークを言う元気も取り戻して「あのショックを受けたんだから、少しの間はまずいプレーをする権利があったね。いや冗談だ。こういったことはたまに起こるものだよ」と話した。
それはナダルを何度か倒したことがある言わば『天敵』との注目マッチで起きたドラマだった。フォニーニは第1セットを先取し、第2セットでも先にブレークして3度に渡ってリードを奪ったが、次第にレベルを上げていったナダルが流れを逆転させた。
「1時間半以上、僕はしっかり戦えていなかった。恐らくキャリア最悪と言えるスタートのひとつだったよ。でも僕は踏み留まり、ポジティブな姿勢を保っていた。かなり酷い状況だったけど、過剰にフラストレーションを感じてはいなかった。僕は状況を受け入れ、自分を過大評価して多くのミスを受け入れないような真似をしないように謙虚な姿勢を崩さなかった」とナダルは苦しかった時間帯を振り返った。
第3セットに入ってからは完全に試合の主導権を握っていたナダルだが、第4セット3-0からの第4ゲームで例のアクシデントが起きた。
「僕はちょっとショック状態にあった。コートに戻ったとき、少しの間は難しいだろうとわかっていた」とナダルは語った。
「でもサービスゲームはキープする必要があった。何本かいいサービスを打ち、バックハンドでいいパッシングショットを打つことができ、僕は勝ったんだ。テニスでは流れが重要となる。もっとも大事なのは、自分が悪いプレーをしているときや相手の調子がよ過ぎるときにスコアを離され過ぎないようにすることなんだ」
ナダルは次のラウンドで、第32シードのミオミル・キツマノビッチ(セルビア)を6-2 6-4 4-6 6-4で破って勝ち上がったベテランのリシャール・ガスケ(フランス)と対戦する。
2回戦に勝ったことで17回目となる男子トップ8によるシーズン末のエリート大会「ATPファイアルズ」への出場権を確保したナダルは自分の全体的な調子について聞かれ、「僕は練習では試合のときよりもずっといいプレーができている。それはポジティブなことで、あとは試合でそれを発揮するだけだ。簡単なことではないけど、僕は前進しつつある」と答えた。
「今日に関しては、試合の終盤には間違いなく1回戦よりもいいプレーができていた。これは進歩だ。2試合をこなし、2勝を挙げた。その事実は助けになる。そして今度はリシャールに対するもうひとつの機会がやってくる」
写真◎Getty Images
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