ナダルが腹筋のケガから復帰も初戦敗退、チョリッチが2時間51分の激闘を制す [ウェスタン&サザン・オープン]

写真はラファエル・ナダル(スペイン)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦の「ウェスタン&サザン・オープン」(ATP1000/アメリカ・オハイオ州シンシナティ/8月14~21日/賞金総額697万1275ドル/ハードコート)の男子シングルス2回戦で、第2シードのラファエル・ナダル(スペイン)がボルナ・チョリッチ(クロアチア)に6-7(9) 6-4 3-6で敗れた。

 セットポイントを凌いだ末にタイブレークを制して第1セットを先取したチョリッチは第2セットを落としたが、第3セット第6ゲームで初のブレークに成功すると最後までそのリードを守りきって2時間51分の激闘を締めくくった。

 上位8シードは1回戦がBYEで免除されており、ナダルはこの試合が初戦だった。腹筋のケガで棄権を強いられた先月のウインブルドン(イギリス・ロンドン/グラスコート)を最後に公式戦でプレーしていなかったナダルは、USオープンに向けた夏のハードコートシーズン最初の大会に臨んでいた。

 ふたりはこれが5度目のマッチアップだったが、チョリッチが3勝2敗と勝ち越した。シンシナティでは2016年の3回戦で顔を合わせ、チョリッチが6-1 6-3で勝っていた。

 肩のケガで昨季の大半を棒に振った25歳のチョリッチは世界ランクを152位まで落としており、今大会にはプロテクト・ランキング(ケガなどで長期休養を余儀なくされた選手への救済措置)で出場した。

 大会前に2度練習できただけだったことを明かしたナダルは、「言うまでもなく、自分の最高レベルでプレーしてはいなかった。こういうことは起こり得る。これまでも、この大会は僕にとって難しいものだった。だからケガによる難しい時期から戻ってきたところだけにこの敗戦を受け入れ、よりよいプレーをしたボルナを称えるのは簡単なことだ」と試合後の記者会見で話した。

「僕にとってもっとも重要なのは、健康を保つことだ。正直に言うと、対処が難しいケガだった。ここ1ヵ月半は簡単なものではなかったよ。腹筋に肉離れを起こし、いつ100%になるかわからない。サービスを思いきり打とうとして大丈夫かどうかも確信が持てないというという意味で、プレーも少し影響を受けるんだ」

 ナダルは2020年以来の世界ナンバーワン返り咲きの可能性があるUSオープンにターゲットを切り替え、「僕は前進し、ニューヨークで観客が与えてくれるエネルギーについて考え始める必要がある」と語った。

「そこが僕にとって非常に特別な場所であることはわかっており、僕はそれを楽しんでいる。あそこでは忘れられない瞬間を過ごした。USオープンに向けて準備を整えるため、毎日ベストを尽くすよ」

 一方で自身も幾度となくケガに行く手を阻まれてきたチョリッチは、「本当に、本当に特別だ」と喜びを表現した。

「僕はここ2年間、(ケガや病気で繰り返し)戦列を離れて大舞台で大勢の観客の前でプレーしていなかった。ここ2年はそういう機会がなかったから、僕はこの試合を心から楽しみにしていたんだ。その試合に勝ったなんて、ある意味クレイジーだよ!」

 チョリッチは次のラウンドで、予選勝者のマルコス・ギロン(アメリカ)を6-3 6-3で破って勝ち上がった第15シードのロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)と対戦する。

 この日初戦に臨んだナダル以外の上位シード勢は第4シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)、第6シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア)、第7シードのフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)が16強入りを決めたが、第5シードのキャスパー・ルード(ノルウェー)と第8シードのホベルト・フルカチュ(ポーランド)は敗れた。

 ジョン・イズナー(アメリカ)がフルカチュを7-6(5) 6-7(5) 6-2で退け、ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場した世界ランク229位のベン・シェルトン(アメリカ)はルードを6-3 6-3で倒す番狂わせを演じた。

 そのほかの試合では第9シードのキャメロン・ノリー(イギリス)、第10シードのヤニク・シナー(イタリア)、第11シードのテイラー・フリッツ(アメリカ)、デニス・シャポバロフ(カナダ)、ワイルドカードを得て参戦したセバスチャン・コルダ(アメリカ)が勝ち上がり、ベスト16が出揃った。

 3回戦ではチチパスが第13シードのディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)と、ルブレフがフリッツと、オジェ アリアシムがシナーと、ノリーがシェルトンと、シャポバロフが第1シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)と、イズナーはコルダと顔を合わせる。

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写真◎Getty Images

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