ナダルが今季のグランドスラム大会で初黒星「言い訳はできない」 [USオープン]
今年最後のグランドスラム大会「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月29日~9月11日/ハードコート)の男子シングルス4回戦で、第2シードのラファエル・ナダル(スペイン)が第22シードのフランシス・ティアフォー(アメリカ)に4-6 6-4 4-6 3-6で敗れる波乱が起きた。
1月のオーストラリアン・オープンと6月のフレンチ・オープンを制していたナダルは、今季のグランドスラム大会で初黒星を喫した。
ウインブルドンで負った腹筋のケガから回復してぎりぎりで大会に駆け込んだナダルだったが、彼はそれを言い訳にしなかった。
「悲嘆にくれたり、多くのことについて文句をいうこともできるだろう。でもそれが状況を変えるとは思わない。ケガがなければウインブルドンで優勝したかもしれないし、ほかのタイトルも獲れたかもしれない。逆に多くのケガを経験しなければ、今の内なる強さは手に入れられていないかもしれない」とナダルはコメントした。
「それもキャリアの一部だ。多くの場面ではうまくいった。今年のオーストラリアン・オープンとフレンチ・オープンでは予想外にうまくいった。理想的な準備ではなかった。でも完璧な準備ではない中でもうまくいったケースも多々ある。言い訳はできない。しっかり自分に対して批判を向けないといけない。それが成長する唯一の方法だと思う」
何もかもうまくいく『ゾーン』状態に入っていたティアフォーにリターンエースを叩きこまれ、最後のゲームではやや手も足も出ないような形でブレークされたナダルは、敗因をシンプルに「僕はまずいプレーをし、彼はいい試合をした。結局のところ、そういうことだ」という言葉で表現した。
ナダルはまたティアフォーを押し下げることができず早いタイミングでボールをとらえることを許してしまったことを敗因のひとつに挙げ、「テニスは多くの場合、ポジションのスポーツだ。それができない場合は非常に俊敏か凄く若い必要があるけど、今の僕はもはやそうではない。僕はもっといいショットを打つ必要があった。ゲームの読みと理解やショットの質が十分ではなかった。いや、今日はお粗末だったと言わざるを得ない。彼に対してあまり多くのことをできなかった」と語った。
「大会前はいい状態で練習できていた。でも、大会が始まったら自分のレベルが下がってしまった。これが真実だ。この数ヵ月の出来事が精神的に影響したのかどうかはわからない。でも、それは関係ない。自分はここで4回戦まで進み、自分よりもいい選手と当たった。だから僕はここでスペインに帰る飛行機に乗るんだ」
何よりもナダルはこの日並外れた調子だったティアフォーを称え、「間違いなく、彼の功績だ。それが真実だよ」と話した。
「試合を終えたとき、対戦相手がやったいいことを認識するのは重要だ。でも結局のところ、僕は対戦相手より自分のほうを分析しなければならない。僕は15分前に試合を終えたところだから、まだ分析するのは難しい」
タイトル防衛を目指していた第1シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)が4回戦で第23シードのニック・キリオス(オーストラリア)に敗れたことでナダルは世界ナンバーワンに返り咲くチャンスを手にしているが、カルロス・アルカラス(スペイン)とキャスパー・ルード(ノルウェー)の結果次第となった。
「チャンスは十分あった。ブレークもあったし、15-40、0-30もあったがリターンをミスした。そのポイントを取っていれば状況が変わる可能性があった瞬間はたくさんあった。問題は自信だ。テニスはチャンスを生み出し、チャンスを生かすことが大事なスポーツだ。そして相手のチャンスを阻止しなければならない。それが今日の試合ではできなかった。彼はしっかりやり遂げた。彼は正しい決意でプレーしていたよ。彼におめでとうと伝えたい。彼の幸運を祈っている」
写真◎Getty Images
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