シフィオンテクが21歳にして3度目のグランドスラム制覇「誇りに思い、少し驚いてもいる」 [USオープン]
今年最後のグランドスラム大会「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月29日~9月11日/ハードコート)の女子シングルス決勝で第1シードのイガ・シフィオンテク(ポーランド)が第5シードのオンス・ジャバー(チュニジア)を6-2 7-6(5)で倒し、21歳にして3度目のグランドスラム制覇を果たした。
第2セット4-2から追い上げられ、4-4から3つのブレークポイントに直面したときにもシフィオンテクはプレッシャーに耐え抜き勝利を掴んだ。今シーズンのシフィオンテクはここまで、より大きなプレッシャーにも耐えてきた。3月に世界ランク1位だったアシュリー・バーティ(オーストラリア)が電撃引退したことで突如として王座を譲り受けたシフィオンテクは、春のハードコートシーズンからクレーコートシーズンにかけてのマッチ37連勝でその大任に応え、周囲の期待を感じながらフレンチ・オープンで2度目のタイトルを獲得した。
「冷静さを保ち、目標に集中しなければならなかった」と表彰式でシフィオンテクは語った。
「私にとって、本当に信じられないほど凄いことだわ。メンタル的に対処できたことを本当に誇りに思う」
フレンチ・オープンとの比較を求められたシフィオンテクは、「これがロラン・ギャロスでの2度目のタイトル以上のものかはわからない。あのときは皆が私が優勝することを期待していて、プレッシャーは本当に大きかった」と答えた。
「ここでは自分の期待をより低く保つことができ、他の人々もハードコートだから私にそれほど多くを期待していないように感じていた。だからメンタル的にはロラン・ギャロスでのほうが厳しかったわ。でもテニスという面で、そしてフィジカル的には間違いなくここでのほうが厳しかったわね」
春の連勝期間中にはストレート勝ちすることが多かったシフィオンテクだが、今回のUSオープンでは第6シードのアーニャ・サバレンカ(ベラルーシ)に対する準決勝などで見せたように劣勢から挽回して勝つメンタル的な強さも証明した。決勝ではじりじり追い上げてくるジャバーを前にブレークバックされても直ぐに仕返し、4-4からブレークの危機にさらされたときもタイブレークで4-5とリードされたときもその都度怯まずに奮起して見せた。
得意なクレーコートだけでなくハードコートでもいい成績を挙げたシーズンを振り返り、シフィオンテクは「シーズンの出だしに、私はWTA(女子テニス協会)の大会でもいい成績を挙げられるかもしれないと気付いた。オーストラリアン・オープンでも準決勝に進出したけど、それでも自分がハードコートのグランドスラム大会で優勝できるレベルにあるかわからないでいたの。サーフェスが非常に速いUSオープンでは特にそうだったわ」と打ち明けた。
「これは私が予想していたことではなかった。これはまた、望みさえすれば不可能などないということの証明でもある。私は誇りに思い、少し驚いてもいる。やってのけることができて、ただただうれしいわ」
一方でウインブルドンに続いてまたも悲願のグランドスラム大会優勝を目前で逃したジャバーは試合後に「全般的に見て、彼女(シフィオンテク)のほうが適切な瞬間、重要なポイントでよりよいプレーをしていた。彼女は何をすべきかを正確に知っていた。私は彼女が昨年から大きな上達を遂げたと感じている」と認め、相手を称えた。
写真◎Getty Images
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