2連敗スタートの日本。“負けたら終わり”から踏ん張れるか? [ビリー ジーン・キング・カップ]
女子テニスの国別対抗戦「ビリー ジーン・キング・カップ by ゲインブリッジ」プレーオフ「日本対ウクライナ」(11月11、12日/東京都江東区・有明コロシアム/室内ハードコート)の1日目、第1戦は土居美咲(ミキハウス)がマルタ・コスチュクに6-7(1) 4-6、第2戦は内島萌夏(フリー)が6-7(3) 2-6で敗れ、日本は2連敗スタートとなった。
土居を下したコスチュクはファーストセットのタイブレークでは怒涛の6ポイント連取で決め、セカンドセットも4-4と競ったところからリスクを犯した強打が次々と決まり、このセット唯一のブレークで試合を終わらせた。
ポイントを取って拳を握りしめるコスチュクをウクライナベンチも盛り上げる
「美咲がよかったこともあり、アップダウンがあった。でも女子テニスはそういうもの。とにかくファイトした。直近の試合がだいぶ前だったこともあり、いつもよりイライラしたかもしれない。でも、国のために戦うのはこういうこと。ファイトして、自分がどう乗りきれるかを考えた。完璧とは程遠い試合だけど、自分はいつもこんなもの」
第2戦では世界ランク339位のザワツカが同105位の内島にストレート勝ち。スコアほど簡単ではなかったが、大事な場面でポイントを取りきった。
「マインドセットは何も失うものはない訳でも、相手に負けているでもない。今日ベストを尽くすといういいバランスだった。ランキングを気にしなかった」と気迫のこもったプレーで勝利したザワツカ
「スタートから調子がよく、タイブレークでは相手を追い込むことができた。最大のキーになったのはセカンドセット5-2でのサービスゲーム。(7度のデュースがある長いゲームで)苦しかったけど、何とか6-2で終わらせることができた。戦争があって当然メンタル面でタフになる。今日は日本にいるのにウクライナの応援が凄かった。スタジアム内のすべての拍手が私のためだと感じられた」
日本はホームにもかかわらず、その優位性を生かせず、国を代表して戦う覚悟にも差が見られた。選手だけでなく、ベンチやスタンドの盛り上がりでも完敗だった。
何度も「悔しい」と口にした土居。2日目は勝利を掴めるか?
だが、このまま終わる訳にはいかない。土居は「凄く悔しい敗戦」と何度も口にして、大事な3戦目を戦う内島は明日に向けて気持ちを切り替えている。
「セカンドセットはどうポイントを取れるのかが見えずに終わった」と振り返った内島
「明日のコスチュクは今日のザワツカに似ているけど、もっとパワフルでアグレッシブ。しかし、今日は今日で明日は明日。しっかり切り替えていい準備をすれば、いい戦いができる」
競ったときの数ポイントの差をどう埋めるのか。コートに立った選手が内に秘めた闘志を爆発させ、日本のファンを巻き込んで盛り上げることで、勝ちきるのに必要なエネルギーが生まれるのではないか。
明日はまず内島が格上のコスチュクに挑む。“負けたら終わり”のプレッシャーを楽しめるか? そして魂のこもったプレーで落ち込んだ雰囲気を一新して、崖っぷちに立つ日本の望みを繋ぐことができるか? 3戦目は明日11月12日(土)13:00に開始予定だ。
取材◎池田晋 写真◎BBM
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