「戦争が8ヵ月も続き、子供たちの未来が心配(コスチュク)」日本戦への決意を語るウクライナの3選手 [ビリー ジーン・キング・カップ]

ウクライナチーム。左からリューミラ・キッシャノック、カタリナ・ザワツカ、マルタ・コスチュク、ミハイル・フィリマ監督


 女子テニスの国別対抗戦「2022ビリー ジーン・キング・カップ(以下BJKカップ) by GAINBRIDGE プレーオフ日本対ウクライナ」(11月11、12日/東京都江東区・有明コロシアム/室内ハードコート)のドロー抽選会が行われ、ウクライナの3選手が抱負を語った。


マルタ・コスチュク。BJKカップ成績:シングルス4勝1敗、ダブルス3勝2敗

 現在シングルスでランキング70位(11月7日時点)のマルタ・コスチュクは日本戦への決意を語った。

「日本の皆さん、日本チーム、素晴らしいホスピタリティをありがとう。日本は強いチームで、アウェーで難しい試合になる。監督や後方で支えてくれる人たちとともに、ここにいる2人の選手といいテニスをしたい」

 自分の置かれた状況よりも、ウクライナの子供たちが現在直面している問題にも言及した。

「この状況では、今の私たちのことよりも若い世代がどう育っているか、国の未来がどうなるかが大事。彼らの将来がどうなるのか? 私たちはすでに選手として自立しており、世界中でトレーニングすることができる。私たちはいい状況にある。でも、ウクライナの子供たちには大変。彼らのことを考えるのは、私に課せられたミッション。8ヵ月以上も戦争が続いている。厳しいときも状況がよくなるときもあった。私たちは諦めずに前に進むしかない。最終的にこの状況を乗り越えられればいい」


カタリナ・ザワツカ。BJKカップ成績:シングルス1勝1敗、ダブルス2勝0敗

 世界ランキング339位ながら、4月のビリー ジーン・キング・カップではアメリカのシェルビー・ロジャースに勝利したカタリナ・ザワツカは試合が楽しみだという。

「日本の皆様、こんにちは。日本のホスピタリティに感謝している。コートも素晴らしい。人々はとても温かく、いい気分で過ごせている。ビリー ジーン・キング・カップを楽しみにしている。素晴らしいチームで戦えるので、高いレベルのテニスを披露できると思う」

 日々、ウクライナで起きていることを意識しながら、選手として生活することの難しさを語った。

「いいバランスを見つけるのが難しい。毎日ニュースを読んでいるから、戦争のことがあるのにコートに立つのは簡単じゃない。つら過ぎて読むのを避ける日もある。私は今自分ができることに集中している。ウクライナにいる皆のことを考え、寄付など、自分にできることは何かいつも考えている。早く戦争が終わることを願っている。でも、私はコート上ではそのことを考えないようにしている。この状況をうまくコントロールできるようにメンタルトレーニングを受けている。ただ、ウクライナのことも当然考えているし、現状から目を背けることはできない」


リューメラ・キッチュノック。BJKカップ成績:シングルス1勝2敗、ダブルス4勝4敗

 ダブルスで現在世界9位のリューメラ・キッチュノックはウクライナのように強くありたいと語った。

「温かいホスピタリティをありがとう。チームの雰囲気はいい。素晴らしい雰囲気の中で、ウクライナに勝利を届けたい。今は国にいるすべての人たちにとって難しい時間。悪い情報が入ってくることもあり、毎日ニュースを読むのも苦しい。家族が残っているし、メンタル面で強くいるしかない。そんな状況の中でも練習は普段通りにやるようにしている。ウクライナのように強くあり、勇気を持ちたい」

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写真◎BBM

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