ケガから復帰途上のナダルはフリッツに敗れて黒星スタート「彼のパワーに対処できなかった」 [Nitto ATPファイナルズ]

写真はラファエル・ナダル(スペイン)(Getty Images)


 男子トップ8によるエリート大会「Nitto ATPファイナルズ」(ATPファイナルズ/イタリア・トリノ/11月13~20日/室内ハードコート)が開幕し、初日のシングルスはレッド・グループのラウンドロビン(総当たり戦)第1戦が行われた。

 アフタヌーンセッションのシングルス開幕試合で第3シードのキャスパー・ルード(ノルウェー)が第5シードのフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)を7-6(4) 6-4で下したあと、イブニングセッションでは第1シードのラファエル・ナダル(スペイン)が第8シードのテイラー・フリッツ(アメリカ)に6-7(3) 1-6で敗れるという番狂わせが起きた。

 同大会の出場権を巡るレースランキング(Race To Turin)で9位だったフリッツは、世界ランク1位のカルロス・アルカラス(スペイン)が腹筋のケガを理由に棄権したため直前になって大会に滑り込んだ選手だった。

 大会デビュー戦を勝利で飾ったフリッツは、「素晴らしい気分だ。僕はグループを勝ち上がりたいと思っているから、本当に重要な勝利になったよ。勝ち進むために絶対勝たなくてはならないという切迫したポジションに身を置きたくなかった。今日は素晴らしい試合ができたから、この上なく幸せだ」と試合後に語った。

 一方のナダルは敗戦後の記者会見で、「それは時間の問題だ」とコメントした。

「テニスに限らず一般的にスポーツは時間の問題なんだ。僕には彼ほどボールでやりたいことをするための時間がない。すべては本当にあっとと言う間に過ぎていくと感じた。そうなってしまうと大抵はストレスを感じ、自分が望むようなショットを打つ時間がなくなってしまうんだ」

 腹筋のケガに苦しみながらもUSオープンで4回戦に至って以来、ナダルがこの大会までにツアーレベルのシングルスで唯一プレーしたのは初戦でトミー・ポール(アメリカ)に敗れたパリ・マスターズだけだった。

 ナダルはケガでしばらく休んだあと、いきなりハイレベルな相手と対戦することが簡単ではないと認めた。

「試合のほとんどのポイントで僕は守備的な状況に置かれ、彼が攻撃する側だった。それが今日の試合で起きたことだった。でもケガから復帰してくるたびに、初日からトッププレーヤーと対戦するというのは厳しいね。ATPマスターズ1000やATPファイナルズで復帰する場合はそうなってしまうんだ」

 USオープン4回戦からアメリカ人選手に3連敗を喫したナダルは、「起こったことを説明しようと思えばいろいろ言うこともできる。結局のところ、フリッツが非常にいいプレーをしたということだ。僕は彼のパワーに対処できなかった」と相手を称えた。

「このような(速い)サーフェスでは、言うまでもなく非常にいいプレーをする必要がある。戦略を考えている暇はないし、時間などない。すべてが本当にあっという間に過ぎていくんだ。フリッツのようなサービスを打つ相手だと、常にプレッシャーをかけられる。いいサービスを打たれると、リターンではすべてのショットを狙われてしまう。彼のプレーはよかったけど、僕のほうが十分じゃなかった」

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写真◎Getty Images

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