フリッツはあと一歩でナダルに惜敗「敗戦のあとに泣きたい気持ちになったことは一度もなかった」 [ウインブルドン]

写真はあと一歩で準決勝進出を逃してコートをあとにするテイラー・フリッツ(アメリカ/左)、手前はラファエル・ナダル(スペイン)(Getty Images)


 今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月27日~7月10日/グラスコート)の男子シングルス準々決勝で第2シードのラファエル・ナダル(スペイン)に6-3 5-7 6-3 5-7 6-7(4-10)で敗れたあと、第11シードのテイラー・フリッツ(アメリカ)は少しの間ベンチから動けなかった。あと一歩というところで掴めた勝利の残像が、彼を苦しめていたのだ。

「試合が終わったあと、僕はあそこに座って泣きたいような気持になった。敗戦のあとにあんな気持ちになったことはこれまで一度もなかった。負けたあとに泣きそうだと感じたことなど、これまで一度だってなかったんだ。これだけでも、これがどの敗戦よりも辛いものだということがわかるだろう」と24歳のフリッツはのちに明かした。

「厳しい試合で、僕はいくつかのことをうまくやったけど、あまりよくなかった部分もあった。最終的には、彼は本当に優秀だった。僕は試合のある部分でより大胆に、より多くのことをやる必要があったのかもしれないと感じた。僕は多くを彼次第にしてしまい、彼はやり遂げた。素晴らしい試合だった。それだけに、他のどの敗戦よりも辛いんだ」

 しかしフリッツは、ナダルをぎりぎりまで追い詰めた。

「少し引いて(客観的に)見れば、素晴らしいことだ。これは僕にとって初のグランドスラム準々決勝だ。僕は正しい方向に進んでいる。これは素晴らしい成果だ。それに関しては本当に満足している」とフリッツは収穫について言及したが、「僕は本当にこの試合が欲しかった。だから今は、物事のいい面を見るのが難しい。本当に、本当にこの試合に勝ちたかったから」と悔しさを隠さなかった。

 ナダルを倒してインディアンウェルズでマスターズ初制覇を果たしたフリッツは、「インディアンウェルズでの僕は心の底から勝てると信じ、僕には彼を倒すことができると本当に信じていた。今日に関しても同じだった。それが持たなきゃいけない姿勢なんだ」と語った。

「これらの選手たちは、グランドスラム大会で本当に強い。でも彼らを倒すことは、相手の名前に打ち勝つということでもある。自分にはできる、勝てるという信念を持たなければならないんだ。それは越えなければならない大きなハードルだと思う。僕にとって間違いなく最近変わったことは、彼らを倒すことは可能だと心から信じていることだ。それでも、彼らを倒すには大変な努力が必要だけどね」

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写真◎Getty Images

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