ジョコビッチがフリッツとの接戦を制してフェデラーに並ぶ6度目の優勝に王手「生き残るために戦わなければならなかった」 [Nitto ATPファイナルズ]
男子トップ8によるエリート大会「Nitto ATPファイナルズ」(ATPファイナルズ/イタリア・トリノ/11月13~20日/室内ハードコート)の男子シングルス準決勝で第7シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が第8シードのテイラー・フリッツ(アメリカ)に7-6(5) 7-6(6)で競り勝ち、最多記録を持つロジャー・フェデラー(スイス)に並ぶ6度目の優勝に王手をかけた。
エネルギー溢れるファイトを見せたフリッツは第1セットでワンブレークダウンから挽回し、第2セットでは一時5-3とリードしていた。しかしジョコビッチはやや苦労しながらも、両セットのタイブレークから勝者として抜け出す術を見出した。
「生き残るために戦わなければならなかった。今日はあまり反応がよくなく、心地よくプレーすることができていなかった。昨日のダニール・メドベージェフ(ロシア)に対する死闘でへとへとになっていたから、ツアー屈指のサービスを打つフリッツに対応するには時間がかかるとわかっていた」とジョコビッチは試合後にコメントした。
自身の21本を上回る31本のウィナーを叩き込む壮観なプレーを見せたフリッツに対し、この日のジョコビッチはしぶとく堅実なプレーで対抗した。
「非常に辛抱強く戦わなければならなかった。第2セットはいいスタートが切れなかった。それでも昨日の試合と同じように4-5からブレークバックすることができた。その瞬間にギアを上げて精神的にも持ち堪え、タイブレークでは彼に1本余計にプレーさせることができた」とジョコビッチは試合を振り返った。
「この試合を乗り越えることができて本当にうれしいよ。最高のテニスができていなかったのに、何とか踏ん張り抜くことができた訳だからね」
チャンスがありながらも敗れたフリッツは、「僕は基本的にタイブレークが得意だ。キャリアを通してタイブレークでの勝率は間違いなくいいはずだ。今日だって2つのタイブレークでうまくプレーしていたのに…。僕は互角に戦っていた。でもテニスでは僅かなところで勝敗が分かれるんだ。差は僅かだ。僕は本当にあと少し向上する必要があるだけだ」と悔しさを滲ませた。
世界ランク1位のカルロス・アルカラス(スペイン)が欠場したことで初めて出場権を得た今大会で印象的な活躍を見せたフリッツは、「絶対的に、僕は自分がこのレベルにあると感じている。僕は自分がトップ10に属し、この大会に見合ったレベルにいるということを証明したと思う。とにかくハードワークを積み続けるしかない」と手応えを口にした。
ラウンドロビン(グループ内総当たり戦)で第1シードのラファエル・ナダル(スペイン)と第5シードのフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)を倒したフリッツは、「幸いなことに、今年は多くのポジティブなことがあった。クレーコートシーズンでほとんどプレーできず、ハードコートシーズンの前にほとんど練習できていなかったのに、僕はこのポジションで1年を終えた。ケガに苦しんだけど、それでも堅実な1年を送ることができた。また練習に戻り、向上し続けることにわくわくしている。来年は自分の地位をさらに固めることを目指すよ」と話した。
「2週間もして振り返れば、本当に素晴らしい1週間だったと言うだろうね」
ジョコビッチは4年ぶり8度目の決勝で、イブニングセッションで第6シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア)を6-2 6-4で破って勝ち上がった第3シードのキャスパー・ルード(ノルウェー)と対戦する。両者の対戦成績は3勝0敗でジョコビッチがリードしており、昨年のラウンドロビン(グループ内総当たり戦)ではジョコビッチが7-6(4) 6-2で勝っている。
写真◎Getty Images
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