「子供時代の夢」を追いかけるチチパスが“第二の故郷”オーストラリアで初の決勝進出 [オーストラリアン・オープン]

写真はグランドスラム初優勝と世界ランク1位に王手をかけたステファノス・チチパス(ギリシャ)(Getty Images)


 今年最初のグランドスラム大会「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・ビクトリア州メルボルン/本戦1月16~29日/ハードコート)の男子シングルス準決勝で第3シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)が第18シードのカレン・ハチャノフ(ロシア)を7-6(2) 6-4 6-7(6) 6-3で振りきり、ふたたびグランドスラム初優勝に王手をかけた。

 メルボルンでこれまで3度に渡って準決勝で敗れていたチチパスにとって、ここでの決勝進出はこれが初となる。

「何年も前(2006年)にマルコス・バグダティス(キプロス)がこのコートで決勝に進出するのを初めて観たんだ。子供だった僕は、いつの日か自分もこのコートで世界最高峰の選手たちとプレーできたらと夢見たものだったよ」とチチパスは回顧した。

「だから今日の試合には満足しているし、子供の頃にテレビで彼を応援した思い出がよみがえってきた。このレベルでプレーできるということは非常に恵まれていると感じる。僕はもう何年も、ギリシャテニスを世界に知らしめたいと願ってきたんだ」

 競り合いながらも2セットを先取したチチパスは第3セット5-4からのサービング・フォー・ザ・マッチでブレークバックを許すともつれ込んだタイブレークで2つのマッチポイントを凌がれ1セットを取られたが、そこで落胆することなく気持ちを切り替えると第4セットで直ぐに3-0とリードを広げるて流れを取り戻した。

 第4セットに入るときの気持ちについて聞かれたチチパスは、「今の地位を築くためにいかに多くのハードワークを積んできたかを考えた。第3セットで終わらせることができなかったけど、本当にもう一歩というところだった。だから諦めずに踏ん張り続けて全力を傾け、重要な瞬間に集中力を上げればうまくいくはずだと確信が持てた瞬間でもあったよ」と答えた。

「それに戦いながらも常に応援してくれるファンがいてくれるというのは、凄く気分がいいものだ」

 チチパスは決勝で、ノーシードから勝ち上がってきたトミー・ポール(アメリカ)を7-5 6-1 6-2で破って勝ち上がった第4シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)対戦する。

 両者がグランドスラム決勝で顔を合わせるのは、2021年フレンチ・オープンに続いて2度目となる。そのときはチチパスが2セットを先取しながら巻き返され、5セットに渡る死闘の末に敗れるという悪夢のような経験をしていた。

 日曜日の決勝はチチパスにとって単なるリベンジマッチではなく、ギリシャ人として初のグランドスラム制覇とともに初めて世界ナンバーワンの座に就くチャンスでもある。

「このような瞬間、このような決勝でプレーするために僕はハードワークを積んできたんだ。普通の決勝よりも大きな意味を持っている。しかもこれはグランドスラム大会の決勝であり、世界ナンバーワンの座がかかっている。いつの日か世界1位になるというのは子供時代の夢だ。僕はそれに近づいている」とチチパスは試合後のオンコートインタビューで語った。

 非常に多くのギリシャ移民がいることで知られるオーストラリアを“第二の故郷”と呼んでいるチチパスは「その機会が他のどこでもなくここオーストラリアでやってきたことをうれしく思う。ここは僕にとって大きな意味を持つ場所だからね」と話し、観客たちに向けて「さあ、やろうじゃないか!」と声をかけた。

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写真◎Getty Images

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