10度目の優勝と22回目のグランドスラム制覇を目指すジョコビッチが世界1の座もかけたチチパスとの決勝へ「どうなるか見てみよう」 [オーストラリアン・オープン]

写真は10度目の決勝進出を決めたあとジム・クーリエ(アメリカ/左)のオンコートインタビューを受けるノバク・ジョコビッチ(セルビア)(Getty Images)


 今年最初のグランドスラム大会「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・ビクトリア州メルボルン/本戦1月16~29日/ハードコート)の男子シングルス準決勝で、第4シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)がノーシードから勝ち上がってきたトミー・ポール(アメリカ)を7-5 6-1 6-2で退け2年ぶりの王座返り咲きに王手をかけた。

 第1セットにちょっとした挽回劇があったものの、全体的に見て勝負になっていないという印象を与える試合だった。

 ポイント間などの時間をカウントするショットクロックが作動するタイミングが気に入らなかった様子のジョコビッチは立ち上がりに4-1とリードしながらもナーバスになり、一度はセットポイントを手にしながらミスも出て5-1からサービスゲームを落としてしまった。そこからジョコビッチはミスを連発し、ポールに5-5と追いつかれてしまった。

 しかしそこで冷静さを取り戻したジョコビッチは6-5からブレークして第1セットを先取すると、そのあとは通常のレベルを取り戻して相手に付け入る隙を与えないままストレートで10度目の決勝進出を決めた。

「長いラリーがあり、第1セットではお互いに足が重かったと思う。第1セットの終わりに気持ちを落ち着かせることができて本当に幸運だったよ。あれがカギだった。そのあとはもっとのびのびとボールを打ち抜くことができるようになった。また決勝に進むことができて本当にうれしいよ」とジョコビッチは試合を振り返った。

 同大会での連勝を自己最長の「27」に伸ばしてアンドレ・アガシ(アメリカ)がマークしたオープン化以降の記録を追い抜いたジョコビッチは、2008年の初優勝から15年後にふたたび決勝を戦えることに感謝の念を抱いている。

 試合後のオンコートインタビューで元世界ナンバーワンのジム・クーリエ(アメリカ)にファンの声援について聞かれたジョコビッチは、「特にキャリアのこの段階において、それは大きな意味を持つ。僕にはそのエンジン、(観客が与えてくれる)エネルギーが必要だ。自分がまだ世界最大のコートのひとつでこのレベルでプレーできるスタミナや走力があることに感謝しているよ」と答えた。

 10度目の優勝とラファエル・ナダル(スペイン)に並ぶ22回目のグランドスラム制覇を目指すジョコビッチは決勝で、第18シードのカレン・ハチャノフ(ロシア)を7-6(2) 6-4 6-7(6) 6-3で破って勝ち上がった第3シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)と対戦する。

 両者がグランドスラム決勝で顔を合わせるのは、2021年フレンチ・オープンに続いて2度目となる。チチパスに辛勝したフレンチ・オープン決勝について、「グランドスラム決勝で2セットダウンから挽回したのは初めてだったと思う。あれは彼にとって初のグランドスラム決勝でもあったね。肉体的、感情的、そしてメンタルのバトルだった。ステファノスとの対戦はいつもそうだ」とジョコビッチは振り返った。

「チチパスには大きな敬意を払っている。彼はここ数年で大きな進歩を遂げてきた。実際に彼はコート外の興味やヘアスタイルなど、ツアーでもっとも興味深い選手だよ。でも日曜日には2人とも真剣に仕事に取り組むのみだ」

 最終日の決勝で勝った選手はケガで今大会を欠場したカルロス・アルカラス(スペイン)を追い越し、週明けに更新される世界ランクで1位に浮上することになる。

 大きなものがかかった決勝について聞かれたジョコビッチは、「グランドスラム大会で優勝することと世界1位になることは、プロテニス選手として登ることができる2つのもっとも大きな山の頂だ。どうなるか見てみよう」と語った。

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写真◎Getty Images

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