車いすテニスのレジェンド、国枝慎吾の国民栄誉賞受賞が決定

写真は東京パラリンピックの男子シングルスで2大会ぶり3度目の金メダルに輝いた国枝慎吾(ユニクロ)(Getty Images)


 松野博一官房長官が3月3日(金)の記者会見で、車いすテニスの国枝慎吾(ユニクロ)への国民栄誉賞授与を決定したと発表した。同賞は広く国民に敬愛され社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があった者についてその栄誉を称えることを目的として1977年に設立されたが、テニス選手およびパラスポーツ界での受賞は今回が初となる。

 現役時代の国枝はグランドスラム大会でシングルス28勝(全豪11回、全仏8回、ウインブルドン1回、全米8回)&ダブルス22勝(全豪8回、全仏8回、ウインブルドン4回、全米2回)を挙げ、パラリンピックではシングルスで3つの金メダル(2008年北京、12年ロンドン、21年東京)に加えてダブルスでも2004年アテネでの金メダルと銅メダル2個(2008年北京、16年リオデジャネイロ)を獲得した。

「前人未到の快挙を成し遂げ、パラスポーツの社会的認知度の拡大とスポーツ発展に極めて顕著な貢献をした。広く国民に夢と感動を、社会に明るい希望や勇気を与えた」と松野官房長官は授賞理由について説明した。なお授与式は、3月17日に首相官邸で行われる予定になっている。

 これを受けて公益財団法人日本テニス協会(JTA)の山西健一郎会長は、「国枝さんは我が国のみならず世界のテニス界の至宝であるとともに、他の競技も含めたアスリートにとっての目標であり、憧れです。国枝さんと共に日本テニス協会はこれからも、彼に続くアスリートたちの挑戦を応援していきます」とコメントした。

国枝慎吾 |国民栄誉賞受賞決定を受けての公式コメント全文 (情報提供◎IMG Tokyo

「この度は、国民栄誉賞決定の知らせを聞き、大変光栄に思うとともに、身が引き締まる思いです。国民栄誉賞は、車いすテニスを始めるきっかけを作って頂いた地元のテニスクラブ、先人の方々、私の選手活動を支えてくれたチームスタッフ、スポンサー、関係者、家族、そしてファンの皆様の情熱が認められたものとして受け止めています。東京パラリンピックでは無観客ではありましたが、多くの国民の皆様からの期待と声援を肌で感じ、人生最大の経験をさせて頂きました。今回、国民栄誉賞を受賞させていただくことで車いすテニスのみならず、パラスポーツ界の更なる発展に繋がることを祈念いたします。私自身、これからは車いすテニスを通じて経験させて頂いたことを生かして、スポーツ界や社会に少しでも貢献できるよう活動していきたいと思います。ありがとうございました」

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写真◎Getty Images

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