長い苦難の道のりを乗り越えたジャリーが地元優勝に王手、決勝の対手は伏兵エチェベリ [チリ・オープン]

写真はリオ・オープンでのニコラス・ジャリー(チリ)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦「モビスター・チリ・オープン」(ATP250/チリ・サンティアゴ/2月27日~3月5日/賞金総額54万6340ドル/クレーコート)の男子シングルス準決勝でニコラス・ジャリー(チリ)がジャウメ・ムナール(スペイン)に1-6 7-6(4) 6-1で逆転勝利をおさめ、2021年のクリスチャン・ガリン(チリ)以来となる地元優勝に王手をかけた。

 2020年1月に薬物検査で陽性と判定されたため出場停止処分を受けて一時ランキングを失っていたジャリーは、長い苦難の道のりを経てキャリア4度目のツアー決勝にたどり着いた。

「ここチリで決勝をプレーすることができるなんて、驚くべきことだ。子供の頃にこの大会を観ていたときのことを今でも覚えている」とジャリーは感慨深げに話した。

「当時はこの大会でフェルナンド・ゴンサレス(チリ)、ニコラス・マスー(チリ)、マルセロ・リオス(チリ)たちがプレーするのを観ていたんだ。そんな大会で今度は自分が決勝に進出するなんて信じられないよ」

 1ゲームしか取れずに第1セットを落としたジャリーはオープニングゲームをキープしたあと8ゲームを連取されて第2セットも0-2とリードされたが、そこから観客の大声援に後押しされて形勢を覆すことに成功した。

 第4シードのディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)に対する2回戦から3試合連続でフルセットの戦いを勝ち抜いたジャリーは、「可能な限り観客からのエネルギーを力に変え、自分を鼓舞してとにかく1ポイントずつに取り組んでいこうとしていたんだ」と試合を振り返った。

 ジャリーは決勝で、第3シードのセバスチャン・バエス(アルゼンチン)との同胞対決を7-5 6-3で制して勝ち上がったトマス マルティン・エチェベリ(アルゼンチン)と対戦する。ツアー大会の準決勝を初めて戦ったエチェベリは競り合いながらもバエスにブレークポイントを一度も与えず、各セットで一度づつ相手のサービスゲームを破って勝利をもぎ取った。

「本当に信じられない。これは僕と僕の家族、友人たちや僕が目標を達成するために支えてくれたすべての人たちにとって夢の実現だ」とエチェベリは試合後に語った。

「明日はとにかく楽しむようにするよ。それが初の決勝では鍵になるはずだからね」

 ダブルスは決勝が行われ、アンドレア・ペレグリーノ/アンドレア・ババッソーリ(イタリア)がワイルドカード(主催者推薦枠)で出場したチアゴ・ザイブチ ビルチ(ブラジル)/マティアス・ソト(チリ)に6-4 3-6 [12-10]で競り勝ちタイトルを獲得した。

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写真◎Getty Images

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