フェデラーがティームに今季3連敗で黒星スタート「ここからは普通のトーナメントだ」 [Nitto ATPファイナルズ]

 第2シードのジョコビッチはラウンドロビンの最初の試合で第8シードのベレッティーニを6-2 6-1で退け、ずっと楽なスタートを切った。しかし、ほとんど落ち度のないパフォーマンスだったにも関わらず、ジョコビッチは変わらず試合中に自分を叱咤する姿を見せた。

 第2セットで4-0とリードしてるとき、ジョコビッチはバックハンドをサイドアウトしてベレッティーニにブレークを献上した。すると彼は腹を立てた様子で自分のチームが陣取るプレーヤーボックスのほうを振り向き、いらいらした様子で何かを叫んだのだ。

「可能な限り完璧に近いプレーをしようと努めているということ以外に、筋の通った説明はない」とジョコビッチはコメントした。「でも、それが僕なんだよ」。

 それは間違いなく、O2アリーナの観客たちが今や見慣れたジョコビッチだった。2012年から2015年にかけてこのロンドンでの年末エリート大会で4連覇を果たしているジョコビッチは、ベレッティーニに対するこの試合で10本のウィナーを打つ必要があっただけだった。ベレッティーニは自らの28本のアンフォーストエラーで、ジョコビッチに簡単な勝利を献上してしまったのだ。

 ベレッティーニのフォアハンドのミスの数はそのうち18本におよび、その中には第1セットに2ブレークをジョコビッチに手渡すことになったふたつのネットミスも含まれていた。

 第2セットで唯一のブレークを許して4-1としたあと、ジョコビッチは次のゲームをすぐさまブレークした。それからネットに出て簡単にフォアボレーを決め、勝利をものにした。

「彼は比較的簡単なフォアハンドをミスし、おかげで(第1セットで)ブレークすることができた」とジョコビッチは振り返った。「そしてそのあとには、彼のサービスをよりよく読めるようになったんだ」。

 世界トップ8が集うATPファイナルズに初出場を果たした23歳のベレッティーニにとって、ジョコビッチと対戦するのも初めてのことだった。彼はまた、O2アリーナのコートの速さにも苦しめられたと明かした。

「ボールがあまり跳ねないから、特にフォアハンドで多彩なショットを打つのが難しい」とベレッティーニは説明した。「もう少し時間的余裕があり、ボールにスピンをかけられるときのほうがいい。かなりいい感じで試合を始めたと思ったが、とにかく今日の彼は僕よりも上だったよ」

ATPファイナルズのデビュー戦に臨んだマッテオ・ベレッティーニ(イタリア/右)はノバク・ジョコビッチ(セルビア/左)に完敗
LONDON, ENGLAND - NOVEMBER 10: Novak Djokovic of Serbia embraces Matteo Berrettini of Italy after their singles match during Day One of the Nitto ATP World Tour Finals at The O2 Arena on November 10, 2019 in London, England. (Photo by Justin Setterfield/Getty Images)

 4人によるもうひとつのグループには、ララファエル・ナダル(スペイン)、ダニール・メドベデフ(ロシア)、ステファノス・チチパス(ギリシャ)、前年度覇者のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)がいる。彼らは月曜日にプレーを始める予定になっている。

 ここロンドンでの成績次第で、ジョコビッチはナダルから世界ランク1位の座を奪い返すチャンスを擁している。彼はナダルより640ポイント分下にいるが、この大会を全勝で優勝すると1500ポイントを獲得することが出来るのだ。

(APライター◎マティアス・カレン/構成◎テニスマガジン)

※トップ写真はロジャー・フェデラー(スイス)
LONDON, ENGLAND - NOVEMBER 10: Roger Federer of Switzerland reacts as he questions a line call in his singles match against Dominic Thiem of Austria during Day One of the Nitto ATP World Tour Finals at The O2 Arena on November 10, 2019 in London, England. (Photo by Justin Setterfield/Getty Images)

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