ルブレフが逆転勝利で悲願のマスターズ初制覇「ワンチャンスはあるという希望を持っていた」 [モンテカルロ・マスターズ]

写真はATPマスターズ1000大会で初優勝を飾ったアンドレイ・ルブレフ(ロシア)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」(ATP1000/モナコ・モンテカルロ/4月9~16日/賞金総額622万8295ユーロ/クレーコート)の男子シングルス決勝で第5シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア)が第6シードのホルガ・ルーネ(デンマーク)に5-7 6-2 7-5で逆転勝利をおさめ、ATPマスターズ1000大会で初優勝を飾った。

 常にいいところまでいくがビッグなタイトルを勝ち獲れない男と言われ始めていたルブレフが、ついにやってのけた。待望のマスターズ制覇を果たした瞬間、地面に倒れたルブレフは起き上がって両腕を上げながら涙を堪えきれずに表情を崩した。

 1セットダウンの劣勢を覆しただけでなく、ルブレフは第3セットで1-4とリードされながらも形勢を逆転させた。ルーネのミスが増えたことにも助けられたが、そのミスを引き出したのは劣勢でも諦めずにボールを返し続けたルブレフの頑張りだった。

「涙が出た。正直なところ、何と言いえばいいかわからない。とにかく幸せだ。僕はなかなかATPマスターズ1000大会で優勝することができず苦労していた。(第3セット)1-4で0-30となり、ブレークポイントを凌いだときはもう勝つチャンスはないと思った。でも僕は何とかやってのけた」とルブレフは試合後のオンコートインタビューで語った。

 ルブレフは2年前の同大会でラファエル・ナダル(スペイン)を倒した末に決勝に進出したが、ステファノス・チチパス(ギリシャ)にストレートで敗れた苦い経験を持つ。彼は同年8月のシンシナティ決勝でもアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)に比較的簡単に敗れ、準優勝に甘んじていた。

「僕は心の奥底でもしかすると僅かな可能性、ワンチャンスはあるかもしれないという希望を持っていた。少なくとも最後まで戦うつもりだった。以前の(マスターズ)決勝でメンタル的に失敗したことを覚えているからね。僕はメンタル的に準備ができておらず、劣勢に立たされたときにもうチャンスがないと思って完全に落ち込んでしまっていたんだ」とルブレフは試合を振り返った。

「そして今日は少なくとも『例え負けるにしても、せめて最後までできると信じよう』と思っていたんだ。それが第3セットで僕がやろうとしていたことだった。もしかしたら挽回する僅かなチャンスがあるかもしれないと願っていたんだ。そして最終的にやってのけることができた」

 昨年11月のパリ・マスターズで決勝でのノバク・ジョコビッチ(セルビア)を含む5人のトップ10プレーヤーを倒して栄冠に輝いていた19歳のルーネはマスターズ2勝目を逃したが、同大会で2006年に19歳でトロフィーを掲げたナダル以来となる10代の決勝進出者となった。

 これに先立ち行われたダブルス決勝では、第5シードのイバン・ドディグ(クロアチア)/オースティン・クライチェク(アメリカ)がワイルドカード(主催者推薦枠)で出場したロマン・アルネオド(モナコ)/サム・ワイスボルン(オーストリア)に6-0 4-6 [14-12]で競り勝ち今季2勝目を挙げた。

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写真◎Getty Images

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