カラツェフがジャン・ジジェンを倒して予選から準決勝に進出「トップレベルに戻ってきた」 [マドリッド・オープン]

写真はアスラン・カラツェフ(ロシア)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦「ムトゥア・マドリッド・オープン」(ATP1000/スペイン・マドリッド/4月26日~5月7日/賞金総額879万6536ユーロ/クレーコート)の男子シングルス準々決勝でアスラン・カラツェフ(ロシア)がジャン・ジジェン(中国)を7-6(3) 6-4で退け、同大会でベスト4に進出した2人目の予選勝者となった。

 ふたりともATPマスターズ1000大会でここまで勝ち進んだのは初めてだったが、大舞台での経験がより豊富なカラツェフは重要な瞬間で踏ん張り抜くメンタル的な強さを発揮した。カラツェフは第1セットで直面した3つのブレークポイントをセーブしてタイブレークの末に第1セットを先取すると、第2セット第1ゲームで奪ったこの試合で唯一のブレークを最後まで守りきって1時間41分で勝利を決めた。
 
「自分の状態には満足している。トップレベルに戻ってきたよ。いいプレーができているし気分もいい。予選から試合ごとに厳しくなっていくから、メンタル的に強くならなくてはいけない。相手は簡単にフリーポイントを与えてくれないから、自分から取りにいく必要がある。今はしっかり回復することが重要だ」とカラツェフは試合後にコメントした。

 長い無名時代を乗り越え2021年オーストラリアン・オープンで予選から4強入りする快進撃でブレイクスルーを果たした29歳のカラツェフは昨年後半から不振に陥り、世界ランクも自己最高の14位から100位以下(現在121位)に転落していた。
 
「僕は100位以内(59位)で今年をスタートしたけど、それから滑り落ちて何度も試合に負けた。それでも前に進み、自分を信じなければならない。僕にはどんなときもサポートし、信じてくれているチームが付いているからね」とカラツェフは苦しい時期を振り勝った。

 カラツェフは次のラウンドで、第4シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)を7-6(5) 5-7 6-3で倒す番狂わせを演じて勝ち上がったラッキールーザー(予選決勝で敗れたが欠場者が出たため本戦出場権を得た選手)のヤン レナード・ストルフ(ドイツ)と対戦する。

 昨年10月にATPランキングのシングルスでトップ100入りした初の中国人選手として歴史に名を刻んでいた26歳のジャンは前のラウンドで第8シードのテイラー・フリッツ(アメリカ)を破って対トップ10初勝利をマークし、マスターズ大会で自国の歴代最高成績を記録してセンセーションを巻き起こした。

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写真◎Getty Images

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