試合後握手なしもスビトリーナが戦争反対の立場を取るカサキナに敬意「彼女は本当に勇気がある」 [フレンチ・オープン]

写真は3年ぶり4度目のベスト8進出を決めたエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)(Getty Images)


 今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月28日~6月11日/クレーコート)の女子シングルス4回戦で元世界ランク3位のエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)が第9シードのダリア・カサキナ(ロシア)を6-4 7-6(5)で振りきり、3年ぶり4度目のベスト8進出を決めた。

 ワンブレーク差で第1セットを先取したスビトリーナは第2セット5-4と6-5からブレークバックを許したが、もつれ込んだタイブレークで迎えた2度目のマッチポイントをものにして1時間56分で勝利を決めた。ふたりはこれが7度目の対決だったが、スビトリーナが全勝をキープした。

 ところでこの対戦では、ふたりが試合後にどのように振舞うかにも密かな注目が集まっていた。3回戦の試合後にスビトリーナとアンナ・ブリンコワ(ロシア)が握手しなかったのを観てブーイングしたファンもいたが、スビトリーナはのちに何故握手しないのかについて説明した。

「事の始まりはロシア政府と会談したウクライナ政府の人々がした行為なの。ウクライナの政治家たちは同じ価値観を共有していないこと、そしてロシアが我が国に対して行っていることことを理由に握手をしなかった。私はウクライナ人であり、私たちの国ために今も最前線で戦っている人々をサポートするためにできることは何でもするわ」とスビトリーナは語った。

「最前線にいる人たちが私を観ているのに、私が何事もなかったかのように振舞っているなんて想像できる? 私は国を代表していて発言力を持っており、この戦争において自分の立場というものがある。ロシア政府と兵士がやっていることは本当に酷いことよ。私たちウクライナ人は一致団結しているの」

 ロシア人であるカサキナとスビトリーナはこの日も試合後に握手を交わさなかったが、カサキナが親指を立てて合図を送るなど友好的なやり取りが見られた。カサキナはロシアを離れてスペインに移住し、ロシアのウクライナ侵攻を公に批判してウクライナ人が握手を拒否する理由は理解できると話している。

「そのようなポジションを取ってくれているダーシャ(カサキナ)に感謝している。彼女は本当に勇気があるわ」とスビトリーナは試合前にカサキナを称えていた。

 スビトリーナは次のラウンドで、2018年大会準優勝者のスローン・スティーブンス(アメリカ)を7-6(5) 6-4で破って勝ち上がった第2シードのアーニャ・サバレンカ(ベラルーシ)と顔を合わせる。

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写真◎Getty Images

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