トップ8によるエリート大会「資生堂WTAファイナルズ深圳」（WTAファイナルズ／10月27～11月3日／中国・深圳／賞金総額1400万ドル／室内ハードコート）の大会6日目のシングルスはパープル・グループのラウンドロビン（総当たり戦）第3戦が行われ、第2シードのカロリーナ・プリスコバ（チェコ）が第5シードのシモナ・ハレプ（ルーマニア）を6-0 2-6 6-4で下し、3年連続となる準決勝進出を決めた。それに先立ち前年度覇者のエリナ・スビトリーナ（ウクライナ）は、ほとんど完璧な形でグループ・ステージを終えていた。

　マッチポイントではプリスコバの打ったフォアハンドがネットのトップを捕らえ、それがドロップショットのようになって決まった。

「ネットに掛かるだろうと思ったから、決まったあとはホッとしたわ」とプリスコバはコメントした。「もちろん、うれしかった。競った戦いだったから、彼女（ハレプ）には申し訳なかったけど」

　プリスコバは準決勝で、年末ランキング世界1位に輝いた初のオーストラリア人女子プレーヤーとなった第1シードのアシュリー・バーティ（オーストラリア）と対戦することになる。

　パープル・グループで1度もセットを落とすことなく全勝で勝ち上がった第8シードのスビトリーナはこの日、代役出場のソフィア・ケニン（アメリカ）を7-5 7-6(10)で退けた。彼女は次のラウンドで、第7シードのベリンダ・ベンチッチ（スイス）と対戦する。

　スビトリーナは試合前に、パープル・グループから準決勝に勝ち上がることをすでに決めていた。彼女は第2セットでふたつのセットポイントを凌ぎ、最終的に6度目のマッチポイントで試合をものにした。

「私はコートに立つたびに、勝たなけれなならないと思うタイプなの」とスビトリーナは試合後に語った。「私の両親が、私をこんなふうに育てたのよ。私はすべてのポイントを取ろうと奮闘しなければ気が済まない。プレーするたびに100％の力を尽くさなければならないの」

「私がただこの試合を彼女にあげてしまっていたら、父も母もすごく怒ったでしょうね。そして私の祖母もよ。彼女は非常に悲しむだろうと思うわ」

　ケニンは故障したビアンカ・アンドレスク（カナダ）の代役となり、彼女にとって大会唯一の試合をプレーした。

「素晴らしい経験だったわ」とケニンは振り返った。「この経験ができたことを本当にうれしく思う。来年は交代要員としてではなく、出場権を獲得した上でこの舞台に立ちたいわ」

　この出場で16万5000ドルを稼いだ世界ランク12位のケニンは、今週に代役としてプレーの機会を得た2人目の選手だった。キキ・バーテンズ（オランダ）は大坂なおみ（日清食品）が右肩の故障のため2戦目を前に棄権したため、彼女のあとを引き継いだ。しかし木曜日の試合で、バーテンズはウイルス性疾患のため途中棄権した。

（APライター◎サンドラ・ハーウィット／構成◎テニスマガジン）

※トップ写真はカロリーナ・プリスコバ（チェコ／左）とシモナ・ハレプ（ルーマニア／右）
SHENZHEN, CHINA - NOVEMBER 01: Karolina Pliskova (L) of the Czech Republic is congratulated by Simona Halep of Romania after winning their Women's Singles match on Day Six of the 2019 Shiseido WTA Finals at Shenzhen Bay Sports Center on November 01, 2019 in Shenzhen, China. (Photo by Clive Brunskill/Getty Images)