キーズが16歳の挑戦を経験の力で退け4回戦に勝利「どうやって逆転できたのか未だに考えている」 [ウインブルドン]

写真は8年ぶりの準々決勝進出を決めたマディソン・キーズ(アメリカ)(Getty Images)


 今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦7月3~16日/グラスコート)の女子シングルス4回戦で、第25シードのマディソン・キーズ(アメリカ)が予選から快進撃を続けてきた16歳のミルラ・アンドレエワ(ロシア)に3-6 7-6(4) 6-2で逆転勝利をおさめてベスト8に進出した。

 ストロークで相手を圧倒して第1セットを先取したアンドレエワは第2セットでも4-1とリードして若きニューヒロインが誕生するかに見えていたが、百戦錬磨のキーズはこのままでは終わらなかった。次第にミスを減らしてパワフルなストロークでラリーの主導権を奪い返したキーズはぐいぐいと追い上げ、それに従ってアンドレエワが揺らぎ始めた。

 もつれ込んだタイブレークで常に先行したキーズは深いストロークとチャンスがあればネットでとどめを刺すアグレッシブな姿勢を見せ、気を取り直して反撃を試みるアンドレエワを押し返してセットオールに追いついた。これで完全に流れを取り戻したキーズは第3セットを危なげなくものにし、2時間3分で8年ぶりの準々決勝進出を決めた。

「どうやって形勢を逆転できたのか未だに考えている。彼女は明らかにプレッシャーを感じることなくプレーし、すべてのチャンスで攻撃してくる驚異的な選手だわ。私は何とか踏みとどまり、いい流れに乗るための方法を見つけなければならなかった」とキーズは試合後のオンコートインタビューで語った。

「彼女が初めてグランドスラム準々決勝進出を決めたときに負けた相手にはなりたくはないものよ。この試合で踏ん張れたのは、ツアーでの長い経験のスイッチが入ったからなの。私は何度かあと一歩のところで準々決勝進出を逃してきたから、それができるのは間違いなく素晴らしいことだわ」

 第2セットの途中まで目覚ましいプレーをしていたアンドレエワはキーズの奮起に押されてやや焦り始め、そこまでのような賢明なショットの選択ができなくなった。流れの変化に対応できなかった彼女は第2セットを落としたあとにラケットを投げつけて警告を食らい、第3セット2-5のゲームポイントを逃したときにもう一度ラケットを叩きつけたことでポイントペナルティを受けた。

 アンドレエワは抗議したが判定は変わらず、次のポイントをキーズがセカンドサーブを攻撃して甘くなった返球をオープンコートに押し込み試合に終止符が打たれた。

「(ポイントペナルティを受けた2度目の警告のときは)正直に言って、投げる意図はまったくなかったわ。(ショット追いかけて走り込んだから)滑って前に倒れるかと思ったの。それがラケットを投げたように見えたのかもしれないけど、彼女(主審)は正しい判定をしなかった。だから私は彼女と握手したくなかったの」とアンドレエワはのちに弁解した。

 いずれにせよアンドレエワが今大会で与えた印象は、いい意味で強烈なものだった。

 キーズは準々決勝で、第21シードのエカテリーナ・アレクサンドロワ(ロシア)を6-4 6-0で破って勝ち上がった第2シードのアーニャ・サバレンカ(ベラルーシ)と対戦する。

 ボトムハーフ(ドローの下半分)のもうひとつの準決勝は、エレーナ・ルバキナ(カザフスタン)とオンス・ジャバー(チュニジア)の前年決勝カードとなった。第6シードのジャバーが2011年&14年大会チャンピオンで第9シードのペトラ・クビトバ(チェコ)を6-0 6-3で退け、第3シードのルバキナは第13シードのベアトリス・アダッド マイア(ブラジル)が第1セット1-4とリードされた時点で棄権したため勝ち上がった。

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写真◎Getty Images

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