ナダルが13度目の優勝でフェデラーの20タイトルに追いつくことは可能か? [フレンチ・オープン]

 ナダルはフレンチ・オープンでプレーした95試合のうち93勝を挙げており、ここ21試合で連勝している。では何故彼が、これほどまでに支配的であり続けているのか?

「彼は信じられないほど素晴らしいテニスプレーヤーだ。恐らくクレーコートでは、他のサーフェスよりも余計に優れているよ」とティームは説明した。「彼は左利きで、それが有利に働いている。それからフォアハンド、クレーコートでのトップスピンが彼との対戦を難しくする」。

 ティームはそのことを認識し、ナダルのテニスのそれらの要素を模倣できるよう願っている。他の選手たちにとっても同じだ。

 例えばローマで、グランドスラム大会を2度制した実績を持つシモナ・ハレプ(ルーマニア)と彼女のコーチのひとりであるアルテモン・アポストゥ エフレモフ氏は、ナダルのトレーニングを食い入るように見ていた。

「我々は彼のボールの打ち方、加速、彼がコート上で持つエネルギー、彼がいかにして100%で練習を行っているかを見ていました。それは常にインスピレーションです」とアポストゥ エフレモフ氏は明かした。「コート上でのこの献身と集中力は、間違いなくシモナにも取り入れることができるものです」。

 前哨戦のイタリア国際に参戦したナダルは、準々決勝で敗れた。それはフレンチ・オープンに向けての理想的な形ではなかったし、これまでの彼が慣れ親しんだ通常の準備でもなかった。恐らく彼は、そういったことが起こりえると感じていたのだろう。というのも彼はその対戦前に、大きな期待なく大会に戻ったことについて話していたからだ。

 それでもフレンチ・オープンでのナダルは、どの大会の誰とも違っている。

「彼がどう感じていようと、彼はきっと道を見出すだろう」と2019年オーストラリアン・オープン準決勝進出者で第5シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)は言った。

「彼は毎年、常に道を見つけ出す。クレーコートは彼のサーフェスだ。彼がよい活躍をすると、僕は確信しているよ」(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)

※写真は会場で練習中のラファエル・ナダル(スペイン)
PARIS, FRANCE - SEPTEMBER 25: Rafael Nadal of Spain during a training session at Roland Garros on September 25, 2020 in Paris, France. (Photo by Martin Sidorjak/Getty Images)

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