マレーがワウリンカを倒し約2年半ぶり優勝 [ヨーロピアン・オープン]
「ヨーロピアン・オープン」(ATP250/ベルギー・アントワープ/10月14~20日/賞金総額71万1275ユーロ/室内ハードコート)の男子シングルス決勝で、アンディ・マレー(イギリス)が第4シードのスタン・ワウリンカ(スイス)を3-6 6-4 6-4で下し、1月に臀部手術を受けてから7大会目のシングルス出場で約2年半ぶりとなるATPタイトルを獲得した。
32歳のマレーは1セットダウンから挽回し、彼同様3度グランドスラム大会を制したワウリンカを倒した。
彼がこれ以前に最後のトロフィーを掲げたのは、2017年3月のドバイでのことだ。それゆえ、優勝を決めたマレーの目から涙があふれたのも驚きではなかった。
「言うまでもなく、この勝利には本当に大きな意味を持つ。ここ数年は本当に辛いものだった。ここ数年にわたり、僕とスタンの双方が多くの故障の問題に苛まれた」とマレーはアマゾン・プライムによって放映されたオンコートインタビューで語った。
「僕は第2セットの終わりに諦めず頑張ることができた。そして第3セットも非常に競ったものだった。この位置に立てると期待していなかったから本当にうれしい。これは、あのようなすべての困難のあとに、僕が手にした中でもっとも重要な勝利のひとつだ。だから本当に誇りに思う」
双方の選手に多くの苦痛をともなう深刻な体の問題を引き起こしたのは、体力をしぼり取る5セットの接戦となった2年前のフレンチ・オープン準決勝だった。マレーは18ヵ月もの間、自分が痛みなく生活できるようにするための解決策を見つけようと暗中模索し、一方のワウリンカも2つの膝の手術を受けなければならなかった。
臀部に人工股関節を入れる手術を受けたあと、マレーは8月にシングルスをプレーし始める前に、6月のウインブルドンを含めてダブルスでコートに戻った。
34歳のワウリンカは、2017年ジュネーブ・オープン以来のATPタイトルを目指していた。
第1セットの重要なブレークは、第2ゲームで起きた。マレーは2つのブレークポイントをしのいだが3つ目をセーブすることはできず、ワウリンカは自分のサービスゲームをすべてセーブして6-3でそのセットを取った。
第2セットの第3ゲームでワウリンカがふたたびブレークを果たしたとき、マレーは困難に深く陥ったように見えていた。その上、彼は第4ゲームで2度連続のブレークを食らわないようにするため、さらにブレークポイントをセーブしなければならなかったのである。
しかしそこで踏ん張ったマレーは、ワウリンカのサービスの調子がくるってプレーレベルが落ちた第6ゲームで、その報いを得る。マレーはブレークバックして3-3と追いついた。
ワウリンカは4-4でさらに2度チャンスを手にしたが、マレーはまたもその危険に抵抗した。結局、最初のセットポイントをものにしてそのセットを6-4で取り、セットオールに持ち込んだのはマレーのほうだった。
第3セットの序盤でふたたびレベルを上げたワウリンカは2度に渡ってブレークに成功したが、そのつどマレーは応戦し、その双方ですぐにブレークバックを果たした。
マレーは第3セット4-4からのゲームでも2本のブレークポイントをしのいで5-4とし、ワウリンカがサービスキープしなければ試合が終わるという状況に持ち込んだ。マレーの最初のマッチポイントでワウリンカがフォアハンドを打ち損なって大きく外したとき、それは元世界ランク1位のマレーが目覚ましいカムバックを祝う瞬間となった。
来月のデビスカップ決勝まで休息をとる予定にしているマレーは今、3人目の子供の誕生を待っているところでもある。
「僕は4歳以下の3人の子供を持つことになる。制御不能にならないよう、しっかり軌道に乗らないといけないね」とマレーはジョークを言った。「3番目の子供誕生にわくわくしている。妻は僕をコートに戻らせ、テニスを続けるために僕を戦わせるという意味で大きな支援をしてくれた」。(C)AP(テニスマガジン)
※写真はアンディ・マレー(イギリス)、10月7日撮影
SHANGHAI, CHINA - OCTOBER 07: Andy Murray of Great Britain celebrates after defeating Juan Ignacio Londero of Argentina on Day three of 2019 Rolex Shanghai Masters at Qi Zhong Tennis Centre October 7, 2019 in Shanghai, China. (Photo by Lintao Zhang/Getty Images)
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