ルイ・カイエ_最新ダブルス入門_vol.03「ダブルスの『テリトリー』を完璧マスター」_初心者から国際レベルのプレーヤーまで、同じアプローチで上達できる!

ルイ・カイエがカナダで発展させてきた指導法『The Actions Method【アクションズ・メソッド】』。それは“Game based approach”=試合をベースにした指導アプローチで、彼はその重要性を早くから提唱し、世界各国の指導に大きな影響を与えてきた。ITFワークショップ(世界の指導者を対象とした国際テニス連盟主催の研修会)で積極的に講師を務め、各国テニス協会、テニスクラブ、テニスアカデミーのコンサルタントとしても活躍するカイエが、これからテニスマガジン誌上で、日本のすべてのプレーヤーに向けてダブルス指導を行ってくれることになった。ダブルスというゲームをベースに、戦術、技術、ポジショニング、フットワーク、コミュニケーションやメンタルなどをアプローチしていく指導法は、すべてを読み終えたとき、ダブルスにとどまらず『テニス』の基本をしっかり理解することができるだろう。このテキストはきっとあなたのテニスのベースになるに違いない。(取材◎ポール・ファイン、青木和子)【2014年6月号掲載記事、連載vol.03】

強いチームは必ず実践している!

今回はダブルスの「テリトリー」を完璧マスターしよう!

指導◎ルイ・カイエ
Louis Cayer◎元デ杯カナダ代表監督/イギリステニス協会(LTA)ナショナルコーチ

取材◎ポール・ファイン、青木和子 写真◎小山真司、菅原淳、AP イラスト◎サキ大地

「テリトリー」とは 各々のプレーヤーが局面に応じてカバーすべき場所のことです。これを理解すると、前衛がボールにタッチする確率が高まります。よいダブルスチームは目安として、20回中12~14回は、前衛がボールにタッチすることができます。そこで今回はポイント獲得率を高めるためにテリトリーを完璧に覚えましょう。

ミニインタビュー
万人共通の方法だから、継続することで上達できる 

誰に教わっても、誰とチームを組んでも基本となるダブルス・システムは同じ

ダブルス指導のスペシャリストと呼ばれて

 私は90年代を、ダニエル・ネスター、セバスチャン・ラルー、グラント・コンネルなどダブルスの世界トップ5たちと過ごしました。彼らカナダ人選手が多くの成功をもたらしたことによって、私はこの頃からダブルス指導のスペシャリストだと思われるようになりました。

 2005年に一時コーチを退くことにしたのですが、すぐにイスラエルのジョナサン・エリッチ、アンディ・ラムのチームにコーチを頼まれ、彼らは2008年にオーストラリアン・オープンで優勝しました。

 その後、アンディ・マレーの母親ジュディから、アンディの兄ジェイミーを見てもらえないかと頼まれて指導するようになります。一年後、ジェイミーのランキングが200位から27位まで上昇すると、今度は(ジュディもいる)イギリステニス協会(LTA)から、もっとトップ100にイギリス人選手を送りたいのでダブルス指導のリーダーとして働かないかというオファーがあり、現在に至っています。

誰に教わっても誰とチームを組んでも変わらない「基本」を教える

 私がこれまで彼らに指導してきたことは「ダブルスのシステム」です。現在、指導しているイギリス人選手たちもこれを非常によく理解しています。

 ダブルスは、「チームで何をしたいのか」「どのようにポイントを取りたいのか」という意思のもと、「どのようなサービスを打つのか」を決めてからプレーします。ポイント獲得のカギは「相手をどの位置でどのようにショットさせるか」にあり、チームはそれを毎ポイント話し合って実行に移します。「テリトリー(各々がカバーすべき場所)」を準備しておくのです。このようなシステム(全体像や計画)のもとでポイントを獲得すること、その実行のために必要な「テリトリー」をはじめとする基本技術を指導することが私の仕事です。

 このやり方によって、プレーヤーが上達するのはもちろん、試合そのものが進化していきます。また、プレーヤーが誰とチームを組んでも、それこそ誰に教わろうとも同じ「ダブルス・システム」なので、イチからやり直したりする必要がなく、継続して上達していくことができます。そういうダブルスを私は日本のみなさんに教えたいと思っています。

1|毎ポイント、チームで話し合う

シングルスでは怠そうな態度を見せるアンディ(右)だが、ダブルスでは別人のようにポジティブな態度。それはイギリスナショナルチームのルールで、毎ポイント、チームでコミュニケーションをとり、ポジティブな態度をとることが義務となっている。

2|どのようなサービスを打つのか決めてからプレーを始める

「どのようにポイントを取りたいのか」そのために「どのようなサービスを打つのか」を決めてからプレーする。だから必ず毎ポイント、チームで話し合う。

3|テリトリーを確認して準備する

サーバーがどこにどのようなサービスを打ち、どのようなリターンが返ってくるのか想定しておく。相手には何をしようとしているか悟られないように、テリトリーの真ん中に構える

4|(このサービスの場合は、ボディに入れてバックハンドで打たせる計画)

例えば…レシーバーのボディを狙ったサービスを打ち、バックハンドで打たせることでボールをコントロールさせないで浮かせる…と想定しておく。サービスの精度により、前衛はかなりの確率で、テリトリーの範囲でボールにタッチすることができるだろう

続きを読むには、部員登録が必要です。

部員登録(無料/メール登録)すると、部員限定記事が無制限でお読みいただけます。

いますぐ登録