イタリアがシングルス連勝で47年ぶり2度目の優勝、シナーが単複5戦全勝で立役者に [デビスカップ・ファイナルズ]

写真は1976年以来となる2度目の世界一に輝いたイタリア代表チーム(Getty Images)


 男子テニスの国別対抗戦「デビスカップ・ファイナルズ」決勝トーナメント(スペイン・マラガ/11月21~26日/室内ハードコート)の決勝で、イタリア(グループA・2位)が前年の準優勝国で第2シードのオーストラリア(グループB・2位)を2勝0敗で下して1976年以来となる2度目の世界一に輝いた。

 第1試合でマッテオ・アルナルディ(イタリア)がアレクセイ・ポプリン(オーストラリア)を7-5 2-6 6-4で倒したあと、第2試合のエース対決でヤニク・シナー(イタリア)がアレックス・デミノー(オーストラリア)を6-3 6-0で退けた。シングルス2試合で決着がついたため、ダブルスの試合は行われなかった。

 9月のグループステージを2勝1敗の2位で突破したイタリアは決勝トーナメントの1回戦でオランダ(グループD・1位)を2勝1敗で、準決勝ではセルビア(グループC・2位)を2勝1敗で破って1998年以来となる8度目の決勝進出を決めていた。

 母国の勝利を決める勝ち星を挙げたシナーは、「僕たち全員にとって、信じられないような感情だったと思う。間違いなく僕たちは本当に幸せだ」と試合後に語った。

「僕たちは力を合わせてここまでやってきた。昨日は敗戦まであと1ポイントまで追い込まれていたけど、今はこうやって優勝を祝うことができる。僕たちは皆凄く幸せだと思うよ」

 チームワークのよさが前提ではあるが、決勝トーナメントで単複5戦全勝で優勝の立役者となった22歳のシナーは、2023年のシングルスで64勝15敗の戦績を残して世界ランク自己最高の4位でキャリア最高のシーズンを終えた。特にUSオープン後の活躍は目覚ましく、北京とウィーンでタイトルを獲得したほかATPファイナルズで準優勝を飾り、世界ナンバーワンのノバク・ジョコビッチ(セルビア)をここ2週間で2度倒した。

 ここ数年のイタリアを牽引してきたマッテオ・ベレッティーニ(イタリア)はケガで今回の代表チームには入らなかったが、チームに付き添ってコートサイドから応援し続けた。ダブルス要員としてメンバー入りしたシモーネ・ボレッリ(イタリア)も今回は出番がなかったが、「僕はこの大会で15年間プレーしてきたけど、今日はキャリアでもっとも素晴らしい感動を味わった」と勝利を喜んだ。

 今週にシングルスをプレーしたシナーとアルナルディが22歳でロレンツォ・ムゼッティ(イタリア)は21歳とイタリアのチームには若い選手が多く、彼ら以外にも200位以内に22歳以下の選手が6人いることから来年以降もさらに成長していく可能性を秘めている。

「僕たちは大きなポテンシャルを秘めた代表チームだ。僕たちは本当に若い。シモーネは例外だけどね。彼はこの大会で15年間プレーしてきたから、僕たちに多くの経験をもたらしてくれた。僕たちのために駆けつけてくれたマッテオ(ベレッティーニ)の存在も本当に重要だった」とエースとしての責任を見事に全うしたシナーは話した。

「僕たちは皆とても若い。僕たちはハングリーだから将来的にもう一度勝ちたいと思うけど、少なくとも一度は経験できた。本当に特別な感動だよ」

 伝統国のオーストラリアはデビスカップ史上2位となる28回の優勝を誇っているが、2003年を最後にタイトルから遠ざかっている。

 今年のファイナルズは16ヵ国が4チームによる4グループに別れてグループステージ(イタリア・ボローニャ、イギリス・マンチェスター、スペイン・バレンシア、クロアチア・スプリト/9月12~17日/室内ハードコート)のラウンドロビン(総当たり戦)を行い、各グループの上位2チームが11月の決勝トーナメントに進出して優勝チームを決定する。試合はベスト・オブ・3セットマッチで行われ、シングルス2試合とダブルス1試合で争われる。

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写真◎Getty Images

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