満身創痍のベキッチは準決勝でパオリーニに惜敗「最後まで勝てると信じていた」 [ウインブルドン]

写真は準決勝で惜敗したドナ・ベキッチ(クロアチア)(Getty Images)


 今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦7月1~14日/グラスコート)の女子シングルス準決勝で第7シードのジャスミン・パオリーニ(イタリア)が1セットダウンから巻き返してドナ・ベキッチ(クロアチア)に2-6 6-4 7-6(10-8)で競り勝ち、四大大会初制覇にふたたび王手をかけた。

 2-2から2度連続でサービスダウンを喫して第1セットを落としたパオリーニは5-4から初のブレークに成功して第2セットを取り返し、第3セットでは2度先にリードされながらその都度追いついてもつれ込んだ10ポイントタイブレークで迎えた3度目のマッチポイントをものにして死闘に終止符を打った。

 パオリーニは2大会連続となるグランドスラム決勝で、第4シードのエレーナ・ルバキナ(カザフスタン)を3-6 6-3 6-4で破って勝ち上がった第31シードのバーボラ・クレイチコバ(チェコ)と対戦する。

 ここまでの5試合中4度のフルセットを乗り越えてきたベキッチは疲れが見えながらも最後まで食らいつき、第3セット4-5と5-6の場面で一度ずつマッチポイントをセーブしてキープした。

「今この瞬間にポジティブになるのは難しい。あともう少しだった。チャンスはたくさんあった」とベキッチは試合後の記者会見で語った。

「本当に厳しい試合だった。最後まで勝てると信じていた。彼女(パオリーニ)は素晴らしいテニスをした。彼女を祝福するわ。彼女は間違いなく勝利に値した」

 追い込まれても決して守りに入らずウィナーを狙う果敢なプレーを貫いたベキッチだったが、相手より1本多く返そうとするパオリーニのしぶとさを前に最後は疲労と体の痛みに足を引っ張られてしまった。そのせいで感情的にも不安定になり、第3セット5-5から相手のゲームポイントウィナーとなったショットがチャレンジされてビデオ判定でアウトとなったときはチャンジエンドのベンチで涙を流した。

「第3セットでは死ぬかと思った。腕と脚に酷い痛みがあった。試合は大変だったけど回復するわ。涙の理由はよくわからない。あまりの痛みで泣いていたの。どうやってプレーを続ければいいかわからなかった…」

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写真◎Getty Images

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