今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」（イギリス・ロンドン／本戦7月1～14日／グラスコート）の男子シングルス決勝で、第3シードのカルロス・アルカラス（スペイン）が第2シードのノバク・ジョコビッチ（セルビア）を6-2 6-2 7-6(4)で退け2連覇を達成した。

　2度ずつ相手のサービスゲームを破って2セットを連取したアルカラスは第3セット5-4の40-0から初のサービスダウンを喫したが、もつれ込んだタイブレークで迎えた4度目のチャンピオンシップポイントをものにして2時間27分で試合を締めくくった。

　14分かかったオープニングゲームをキープできなかったジョコビッチはその後も精彩を欠き、アルカラスは試合を通して目覚ましいプレーを見せた。ブレークされたゲームもジョコビッチが特別なプレーをした訳ではなく、ダブルフォールトやチャンスボールでのミスなどアルカラスが勝利を目前に硬くなった結果のようだった。

「このトロフィーを勝ち獲ることは僕にとって夢だ。11歳か12歳の頃にインタビューでウインブルドンで優勝することが夢だと言ったけど、それを叶えている。これからも続けていきたいけど、この美しいコートでプレーしてこの素晴らしいトロフィーを掲げるのは最高の気分だ」とアルカラスは表彰式で行われたオンコートインタビューで語った。

　第3セット5-4の40-0からブレークされた場面について聞かれたアルカラスは、「40-0だったけど、まだ終わりは遠いと感じていた」と答えた。

「ジョコビッチは信じられないようなファイターで、彼はまたチャンスを掴んでくるとわかっていたから踏ん張らなければならなかった。サービスでポイントを取りたかったけど、それができなくて難しかった。落ち着いてポジティブな姿勢を崩さずタイブレークで最高のテニスをすることだけを考えていた。最後に解決策を見つけることができて本当によかったよ」

　同じ年にフレンチ・オープンとウインブルドンを連続で制したのはロッド・レーバー（オーストラリア）、ビヨン・ボルグ（スウェーデン）、ラファエル・ナダル（スペイン）、ロジャー・フェデラー（スイス）、ジョコビッチに続いてアルカラスが6人目となる。

　アルカラスは表彰式で「（秘訣は）戦い続け、信じ続けることだと思う。そのような偉大な選手たちに加わることができたのは大きな名誉だ」と謙虚に話したが、試合後の記者会見では「キャリアの終わりにはビッグネームたちと同じテーブルに座りたい」と大きな野望を口にした。

「それが僕のメインゴールであり、現時点での夢だ。21歳で既に4つのグランドスラム大会で優勝したことは関係ない。自分の限界がどこなのかわからないし、考えたくもない。とにかく今を楽しみ、夢を見続けたいんだ。キャリアの終わりに（グランドスラム大会のタイトルが）25なのか30なのか15なのか、それとも4つのままなのか見てみよう」