世界的なスポーツの祭典「2024パリ五輪テニス競技」（フランス・パリ／7月27日～8月4日／クレーコート）の女子シングルス決勝で、第6シードのジェン・チンウェン（中国）が第13シードのドナ・ベキッチ（クロアチア）を6-2 6-3で退け金メダルに輝いた。

　第2ゲームと第8ゲームであった2つのブレークチャンスをきっちりものにして第1セットを先取したジェンは第2セット2-1から一度だけサービスダウンを喫したが、4-3からもう一度相手のサービスゲームを破ると続くサービング・フォー・ザ・チャンピオンシップを危なげなくキープして1時間45分で歓喜の瞬間を迎えた。

　中国人選手がオリンピックのシングルスでメダルを獲得したは男女を通してジェンが初めてで、2008年北京大会で準決勝に進出したリー・ナ（中国）は3位決定戦でベラ・ズボナレワ（ロシア）に0-6 5-7で敗れてチャンスを逃していた。

　テニス競技では2004年アテネ大会女子ダブルスを制したリー・ティン／スン・ティアンティアン（中国）に続き、中国にとって2つ目の金メダルとなった。

「今の気持ちを言い表すことはできない。すべてのラウンドがとても感動的だった。とにかく現実だとは思えない」とジェンは試合後に語った。

「中国のためにメダルを獲りたいとずっと願っていたけど、遂にそれをやってのけた。それも金メダルよ。母国は私を誇りに思うでしょうし、私も自分自身を誇りに思う」

　今大会でのジェンは最初の2試合をストレートで勝ち上がったあと第11シードのエマ・ナバーロ（アメリカ）に対する3回戦でマッチポイントに直面し、今大会を最後に引退すると発表していた元世界ランク1位のアンジェリック・ケルバー（ドイツ）との準々決勝で第3セット1-4から巻き返した末にタイブレークを制して2試合連続で3時間以上のバトルを戦い抜いたあと、準決勝では過去6戦全敗だった第1シードのイガ・シフィオンテク（ポーランド）を6-2 7-5で倒す金星を挙げて決勝進出を決めていた。

　敗れはしたがクロアチア人女子選手で初めてメダルを獲得したベキッチは、「今は少しがっかりしているけど、感情が落ち着いたらとても幸せに感じると思う。今週はずっと国中が見守ってくれたから、本当に感謝しているわ」と話した。

　前日に行われた3位決定戦では、世界ナンバーワンのシフィオンテクがアンナ カロリーナ・シュミドローバ（スロバキア）を6-2 6-1で下して銅メダルを獲得していた。