「感動的な夜」----ナダルがメドベデフの挽回を押し返し、劇的優勝 [USオープン]

ナダルのこのニューヨークでの収穫物を、フレンチ・オープンでの12タイトル、ウインブルドンでの2タイトル、そしてオーストラリアン・オープンでの1タイトルに加えると、彼のグランドスラム優勝杯は「19」となる。その結果、フェデラーの「20」に対してナダルの「19」と、フェデラーとナダルの間のギャップはここ15年でもっとも狭まった。
フェデラーは2003年のウインブルドン初優勝時に1-0とリードし、それからナダルが2005年フレンチ・オープンで初優勝する頃までには4つのグランドスラム優勝杯を手にしていた。
キャリアを終えるとき、ナダルはグランドスラム大会のタイトル数で1位に立っていたいと明かした。フェデラーと、現在「16」と迫りつつあるノバク・ジョコビッチ(セルビア)をしのぐ1位の座で。しかし彼はまた、自分の幸せが最終的にどのように終わるかに基盤を置くことはないと主張した。
この日の試合は彼が望んでいた通りの結末になったが、その旅には人々が予想したよりもずっと多くの紆余曲折があった。
その厳しさがあったからこそ、「この日は忘れがたきものとなり、僕の歴史の一部となった」のだとナダルは言う。
身長198cmのメドベデフは自らの敗戦が近づきつつあると感じとったとき、守備的にプレーする頻度を減らした。そしてよりアグレッシブにプレーして、より狡猾で油断のならない敵へと変貌した。
彼はサーブ&ボレーとベースラインでナダルに打ち勝つプレーを交互に見せ、しばらくするとあたかもメドベデフがミスすることはあり得ないように感じられ始めた。彼は実際、ウィナー数で75対62とナダルをしのいでいたのだ。
彼はUSオープン前の一連のハードコートの大会でこのようなストロークの冴えを見せつつ、4大会連続で決勝に進出していた。また彼は戦術を変える能力も見せ、サーブ&ボレーに出たポイント29回のうち22回を勝ち取っていた。
「彼の戦い方、試合のリズムを変える能力は信じられないほど素晴らしかった」とナダルは評価した。

試合後、お互いを労うナダルとダニール・メドベデフ(ロシア)(撮影◎毛受亮介 / RYOSUKE MENJU)
フラッシングメドウの観客たちは、メドベデフのコート上のふるまいゆえに週を通して彼にブーイングや野次を飛ばしていた。彼は皮肉で、自分を野次った観客にお礼を言ったり、彼らの悪態こそが自分が勝った理由だと言うことによって中傷者を挑発していたのだ。ところがその観客たちが最後には彼を支持し、彼を応援していた。
あるいは彼が表彰式の際に言った通り、観客たちは決勝のチケットを買うために使った金に見合うより多くの興奮を支持していたのかもしれない。
そして、彼らは間違いなくそれを手に入れた。
「この試合のことは決して忘れないだろう」とメドベデフは言った。
「たとえ、僕が70歳になったときでさえ」
(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)
※トップ写真は優勝を決めたあとのラファエル・ナダル(スペイン)(撮影◎毛受亮介 / RYOSUKE MENJU)
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