セレナが24度目のグランドスラム制覇まであと1勝、決勝で19歳アンドレスクと対決 [USオープン]
この日の準決勝で、より安定していたのはスビトリーナの方だった。彼女は始めるやすぐに前述の3つのブレークチャンスをつかんだが、それらをものにすることはできなかった。第2ゲームをもう少しのところで取り損ねたスビトリーナは、最初の2ゲームを通してゲームポイントを8度も手にしながらそのどれをものにできなかったのである。
そんな訳で最初の印象とは裏腹に、瞬く間にゲームカウントはセレナの3-0リードとなっていた。
「今日、彼女が驚くべきプレーをしたとは思わない」とスビトリーナは振り返った。
「でも彼女は出だし、違いを生み出さなければならないポイントで非常に高いレベルのプレーをした」
セレナ自身はどう見ているのだろうか。
「今日は、堅実だったわ。間違いなく、私のベストテニスではなかった」とセレナは自己評価した。
それでも、彼女は時速191.5kmのサーブを叩き込み、直面したすべてのブレークポイントをセーブした。彼女は1ゲームだけで3本のリターンウィナーを決め、9本以上続いたラリー13回のうち10ポイントを取り、最終的に34本のウィナーを記録した(スビトリーナのウィナーは11本)。そしてその過程で、以前のラウンドで捻った足首の後遺症らしきものは見せていなかった。
さらにセレナは第1セットでブレークポイントに直面したときに、サーブ&ボレーさえやって見せたのだ。そして、それは機能した。
「そういうことを二度と期待しないでね」とセレナは言い、そのときの自分の心境を「『私はネットで一体何をしているの? 私をベースラインに戻らせてちょうだい!』って感じだったわ」と冗談まじりに表現した。
おそらく、セレナとの過去の5対戦で1度(2016年リオデジャネイロ五輪3回戦)だけ勝っていたスビトリーナは、受け身過ぎたのだろう。彼女は後方に留まり、向かってくるすべてのボールを追いかけようと努めていた。
それは適切な戦術だっただろうか。少なくともこの日、この試合で、この対戦相手に対してはそうではなかった。
「重要な瞬間に、彼女はレベルを上げる。常に上げてくるのよ」とスビトリーナはセレナの強さについて説明した。
「彼女は常に、自分のベストテニスを引き出してくるの」
それが、通常セレナがやってのけていることだ。38度目の誕生日が3週間以内に迫っている今でさえ。
ただし、復帰してからここまでの3つのもっとも重要な試合では、そうではなかった。3つのグランドスラム決勝で、3つの黒星。しかし彼女は来たる土曜日に、ふたたびトライすることになる。24タイトルまであと1勝だ。
「もちろん、過去の経験から学んだことはたくさんあるわ」とセレナは言った。
「でも私はただコートに出て行って、何よりリラックスした状態を保ってプレーしなければならないのよ」
(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)
※写真はセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)
撮影◎毛受亮介 / RYOSUKE MENJU
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