“ライオン”のようにナダルがシュワルツマンを倒し、準決勝へ [USオープン]

 一年前に身体の問題で崩れたのは、ナダルだった。彼は最終的に準優勝に終わったフアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)に対する試合で、膝の故障のため途中棄権していたのだ。

 今回、湿度が50%を超えるその蒸し暑い夜、左利きのナダルは第3セット序盤のエンドチェンジの際にトレーナーを呼んで前腕に軟膏を塗ってもらったことで、何らかの懸念があることをわからせた。

 次のエンドチェンジでは、ナダルは右腕を曲げたり伸ばしたりし、またもトレーナーを呼んで塩の錠剤を口に入れ、ドリンクをがぶがぶ飲んだ。次のゲームで彼は、ポイント間に腕を振っていた。

 試合後、ナダルは第2セットの終わりと第3セットの出だしに筋肉のケイレンが起きていたのだと明かした。

「それから僕は塩を摂った。それだけだ。それで解決した。僕の身体はいいコンディションだと思う。大きな問題はない」とナダルは説明した。

「ただ、もちろん少し疲れてはいるけど。長い一日だったからね」

 それでもナダルはシュワルツマンに対し、もっとも重要な瞬間にベストのプレーをすることができていた。

 ナダルは最初の2セットの最後のゲームでブレークに成功。それから第3セットで4-2とするブレークを果たし、最後をもうひとつのブレークで締めくくった。

エンドチェンジをするディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン/左)(撮影◎毛受亮介 / RYOSUKE MENJU)

「どうやっているかはわからないが、この男は対戦する度に向上しているんだ」とシュワルツマンはナダルに脱帽した。

 今、ナダルはベレッティーニが問題となる。

 ベレッティーニは、最良の友でもあるメンタル・コーチが大きな助けとなったと明かした。彼らは毎回、試合の前と後に電話で話している。間違いなく、彼らには最新の勝利について話すことが山ほどあることだろう。

 最初のマッチポイントをダブルフォールトでふいにしてしまったベレッティーニは、4時間近い戦いの末にモンフィスにとどめを刺すのにさらに4つのマッチポイントを必要とした。

「彼は僕に言ったんだ、『僕は君にお礼を言いたい。僕は誰もが一度生まれ、一度死ぬのだと思っていたんだ。だけど試合中、僕は15回、16回生まれて死んだ』」とベレッティーニは、もう数年いっしょに働いているメンタル・コーチとの会話について話した。

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