セレナとビーナスが初戦に勝利、次は姉妹対決 [トップシード・オープン]
WTAツアー公式戦の「トップシード・オープン」(WTAインターナショナル/アメリカ・ケンタッキー州レキシントン/8月10~16日/賞金総額22万5500ドル/ハードコート)の女子シングルス1回戦で、第1シードのセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)が第1セットを落としながらもベルナルダ・ペラ(アメリカ)を4-6 6-4 6-1で倒し、ツアー再開後の初戦を勝利で飾った。
長い休止を経たあとでさえ、セレナは予想もよりドラマチックな形での公式戦復帰を果たす中で落着きを保っていた。
6ヵ月の活動休止に続く復帰戦で、セレナは挽回劇を演じる必要性に迫られた。この結果でセレナは、木曜日に予定されている2回戦で姉のビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)と対戦することになった。ビーナスはこの日、ビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)を6-3 6-2で退けた。
次で31回目となるビーナスとセレナのウイリアムズ姉妹対決は、双方にとって感情的にも肉体的にも厳しい試合となることが予想される。
「グランドスラム大会決勝での対戦もあったし、ナンバーワンの座がかかった試合もあったわ」と妹に対して12勝18敗のビーナスは語った。「私にとってこれは、かなり厳しいドローだった。だけど私も永遠にプレーする訳ではないだけにベストの選手たちとプレーしたいから、正直言って完璧だわ。願ったり叶ったりよ」。
センターコートでのペラに対する初戦で、セレナは運動能力面でのハードルを乗り越えなければならなかった。新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによって強いられた休止期間のあとに調子を取り戻そうとしているセレナは、トップ50以下の選手に対する14度目の敗戦を回避するために奮闘した。世界ランク9位のセレナは幸先のいいスタートを切ったものの、それから間もなく苦境に陥った。世界60位のペラは第5ゲームをラブゲームでブレークすると、そのまま第1セットを奪ったのだ。
大会のトップシードであるセレナは第2セットで先にブレークして3-1とリードしたが、次のゲームでブレークバックを許した。クロアチア生まれのペラは追いついて4-4から相手のサービスゲームで0-40と追い詰めたが、セレナはそこから挽回してキープに成功した。
「もっといいプレーをする必要があるのだと分かっていたわ」とセレナは振り返った。「自分がもっといいプレーをできることも分かっていた。興味深いゲームだったわ。彼女は多くのウィナーを決め、ショットはすごく低かった。私は少しばかりゲームに慣れる必要があったの。彼女は本当にいいプレーをしたと思うわ」。
次のゲームを取るために、セレナはまたも挽回しなければならなかった。しかし彼女は奮闘の末にブレークを果たし、勝負の行方を第3セットに持ち込んだ。そこからギアを上げたセレナは第3セットで先にブレークして3-1とすると次のゲームをデュースの末に競り勝ち、もうひとつのブレークで試合にけりをつけた。
レキシントンでもう1試合プレーするため、セレナは2時間16分を費やした。多くの選手が同大会での戦いを通し、8月末にニューヨークで開幕するUSオープンに向けてハードコートのスキルを磨きたいと願っている。彼女は長い休止期間を経てふたたび活動を再開できることに特にワクワクした様子を見せており、この日はストレスのかかる場面でも落ち着きを保って勝ち上がることに成功した。
1勝1敗だった2月のフェドカップを最後にプレーしていなかったセレナはツアー休止の間を使って自宅にジムを築き、夫のアレクシス・オハニアンが彼女のために建設したテニスコートで練習していた。セレナは肉体的に鍛え上げられ、USオープンに向けて準備を始める用意ができている様子で大会に到着した。
しかしペラもこの初対戦で、セレナのステイタスやパワーに圧倒されているような様子は見せなかった。左利きのペラはラブゲームでブレークして3-2とリードし、そのまま第1セットを先取した。セレナはあるリターンの際に左足首を少し捻った様子で後ろに倒れ、そのポイントと次のゲームを失った。彼女が転ぶシーンはもう一度あったが、次第にフットワークとサービスの調子を取り戻した。
スター選手が多かったその火曜日、ビーナスはアザレンカに対して妹よりもずっと順調に勝ち上がった。7度グランドスラム大会を制したビーナスは第2セットで4-0とリードしたあと最後の4ゲームを2ゲームずつ分け合い、今年挑戦した4大会で初となる勝利を手に入れた。
新進気鋭のコリ・ガウフ(アメリカ)は、キャロライン・ドラハイド(アメリカ)を7-5 7-5で下して次のラウンドに駒を進めた。
「今日はのびのびとプレーできたわ。そう悪くない出来だった」と16歳のガウフはコメントした。試合前の彼女は、少しナーバスになったと認めていた。
また、2017年USオープン優勝者で第7シードのスローン・スティーブンス(アメリカ)が予選を勝ち上がってきた17歳のレイラ・フェルナンデス(カナダ)に3-6 3-6で敗れ、キャサリン・ベリス(アメリカ)はラッキールーザーで本戦入りした同胞のフランチェスカ・ディ ロレンツォ(アメリカ)を6-1 6-2で破った。
ディ ロレンツォは予選決勝で敗れたが、ぎりぎりになってアマンダ・アニシモワ(アメリカ)の代役として出場した。アニシモワは火曜日の朝、右肩の故障のため棄権していた。
そのほかの試合では、第5シードのユリア・プティンセバ(カザフスタン)がアイラ・トムヤノビッチ(オーストラリア)を6-0 6-4で、ジル・タイヒマン(スイス)が予選勝者のアンナ・カリンスカヤ(ロシア)を6-2 7-5で下し、アンナ・ブリンコワ(ロシア)は6-2 4-6 3-1の時点でクリスティ・アン(アメリカ)が棄権したため初戦を勝ち上がった。(C)AP(テニスマガジン)
※写真はセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)
LEXINGTON, KENTUCKY - AUGUST 11: Serena Williams walks across the court before her match against during Top Seed Open - Day 2 at the Top Seed Tennis Club on August 11, 2020 in Lexington, Kentucky. (Photo by Dylan Buell/Getty Images)
Pick up
-
2024-12-12
サービス第二弾!テニス丸ごと一冊サービス [技術の修正](堀内昌一 著)12月25日(水) 書籍&電子書籍同時発売
テニス丸ごと一冊サービス [技術の修正](堀内昌一 著)20
-
2024-12-12
テニスマガジン今後の予定(部活および新刊情報)
CHECK1テニスマガジンONLINEテニス界の最新情報を毎
-
2024-10-08
テニス丸ごと一冊サービス[増補版] QRコード(動画)付(堀内昌一 著)書籍&電子書籍
「テニスマガジン」のサービス特集をきっかけに、MOOK「テニ
-
2024-05-03
『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2023-04-03
『テニスの心理学~“心”技体を鍛えてメンタルタフになれ!』(佐藤雅幸著)
Tennis Magazine extraシリーズの最新刊『
Pick up
-
2024-12-12
サービス第二弾!テニス丸ごと一冊サービス [技術の修正](堀内昌一 著)12月25日(水) 書籍&電子書籍同時発売
テニス丸ごと一冊サービス [技術の修正](堀内昌一 著)20
-
2024-12-12
テニスマガジン今後の予定(部活および新刊情報)
CHECK1テニスマガジンONLINEテニス界の最新情報を毎
-
2024-10-08
テニス丸ごと一冊サービス[増補版] QRコード(動画)付(堀内昌一 著)書籍&電子書籍
「テニスマガジン」のサービス特集をきっかけに、MOOK「テニ
-
2024-05-03
『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2023-04-03
『テニスの心理学~“心”技体を鍛えてメンタルタフになれ!』(佐藤雅幸著)
Tennis Magazine extraシリーズの最新刊『