アメリカでの活動再開で選手たちが「New Normal」に適応 [トップシード・オープン]
WTAツアー公式戦の「トップシード・オープン」(WTAインターナショナル/アメリカ・ケンタッキー州レキシントン/8月10~16日/賞金総額22万5500ドル/ハードコート)の本戦が始まり、初日は女子シングルス1回戦6試合と女子ダブルス1回戦1試合が行われた。
マリー・ブーズコバ(チェコ)は約6ヵ月ぶりのテニス大会で、いくつか調整しなければならない問題があると予想していた。
何よりもまず最初に、新型コロナウイルス(COVID-19)に強いられた長い休止による『錆』を落とすという挑戦があった。彼女はまた、いつものツアーの場とは違って盛り上がりに欠ける雰囲気の中でプレーする事実を消化しなければならなかった。ツアー再開後の暫定カレンダーに追加されたこの新規大会は無観客で行われ、センターコートの周りには数人のオフィシャルがいるだけだった。
「いくつかのポイントで私のコーチが拍手しているだけだったから、最初のほうは練習のように感じられたわ」とブーズコバは振り返った。それでも彼女は迅速に順応し、第3シードのジョハナ・コンタ(イギリス)を6-4 6-4で倒す番狂わせに成功した。
「だけどあんなふうに静かなのは、ちょっと奇妙な感じがしたわ」
これからの選手たちは、パンデミックのため近い将来に目にするであろう新しい日常(“New Normal”)に遭遇することになるだろう。
今週の大会は、ロックダウン後に実現したアメリカ合衆国における最初のツアー公式戦だ。7月後半に新しく組み替えられた日程に加えられたこの大会で、セレナとビーナスのウイリアムズ姉妹(アメリカ)、スローン・スティーブンス(アメリカ)やビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)らのトッププレーヤーたちが今月末のUSオープンに向けてハードコートでのスキルを磨くことを目指す。ウイリアムズ姉妹の初戦は、ともに火曜日に予定されている。
感染拡大を防ぐため、用心深くソーシャルディスタンスを取る措置が適用されている。当然ながらプレーヤーたちはコートの別々の側にいるが、ベンチは主審側のサイドで6フィート(約1.82m)離した位置に設置された。マスク着用に関しては、ほとんどの場所で義務となる。
「マスクを着用しない唯一の場所が、言うまでもなくコートの上なの」とブーズコバは語り、選手たちはホテルでも似たような「バブル」と呼ばれる安全地帯で過ごしていると言い添えた。「会場の内部を歩いているときには、常にマスクを着用しているわ」。
コンタは動悸のために医師の診察を必要としたぴりぴりした瞬間に、マスクを着用した。コンタは以前にも同様のことがあったと認めたが、結局プレーを再開する前にそれは治まったと明かした。
「まったく心配してはいないわ」とコンタは自分の身に起こったことについて説明した。
選手たちはレキシントン郊外にあるトップシード・テニスクラブのコンディションを称賛している。クラブの客席は、スタジアムというよりカントリークラブという雰囲気だ。センターコートにはクッションに覆われたラウンジチェアが並んでしたが、試合が始まったときには人がほとんどいなかった。
パラパラと聞こえる拍手の音が通常の大きな歓声にとって代わり、リターンする選手の唸り声のほうがより大きく響いた。ある意味でそれは、長い休止のあとに競技の集中力を取り戻すために最適な場所であるようにも思えた。
「言うまでもなく、私たちはこれまで大きなスタジアムで多くの人々が見守る中、多くの試合をプレーしてきたわ。でも私たちはまた、例えば深夜の試合や地理的な問題などで誰も観ていないところでも多くの試合をやってきたのよ」とコンタはコメントした。
「それでも試合だとは感じられたけど、同時に6ヵ月間もWTA大会でプレーしていなかったことも思い知らされたわ。ふたたびこの環境に慣れ、動くスペースを見つけ、いい戦いができるようにしなければいけないわね」。
月曜日には他の3人のシード選手が、それぞれアメリカ人選手を破って勝ち上がった。第2シードのアーニャ・サバレンカ(ベラルーシ)がマディソン・ブレングル(アメリカ)を6-1 6-7(5) 6-2で、第6シードのマグダ・リネッテ(ポーランド)がローレン・デービス(アメリカ)を6-2 6-3で、第8シードのオンス・ジャバー(チュニジア)はワイルドカード(主催者推薦枠)で出場したキャサリン・マクナリー(アメリカ)を6-2 6-4で下した。
そのほかの試合では、ジェニファー・ブレイディ(アメリカ)がヘザー・ワトソン(イギリス)を6-2 6-1で退け、ジェシカ・ペグラ(アメリカ)はワイルドカードで出場した元世界ランク2位のベラ・ズボナレワ(ロシア)に6-1 5-7 6-4で競り勝った。(C)AP(テニスマガジン)
※写真はジョハナ・コンタ(イギリス/右)とマリー・ブーズコバ(チェコ)の1回戦が行われたセンターコートの様子
LEXINGTON, KENTUCKY - AUGUST 10: A general view during the match between Marie Bouzkova of the Czech Republic and Johanna Konta of Great Britain during the Top Seed Open - Day 1 at the Top Seed Tennis Club on August 10, 2020 in Lexington, Kentucky. (Photo by Dylan Buell/Getty Images)
Pick up
-
2024-12-12
サービス第二弾!テニス丸ごと一冊サービス [技術の修正](堀内昌一 著)12月25日(水) 書籍&電子書籍同時発売
テニス丸ごと一冊サービス [技術の修正](堀内昌一 著)20
-
2024-12-12
テニスマガジン今後の予定(部活および新刊情報)
CHECK1テニスマガジンONLINEテニス界の最新情報を毎
-
2024-10-08
テニス丸ごと一冊サービス[増補版] QRコード(動画)付(堀内昌一 著)書籍&電子書籍
「テニスマガジン」のサービス特集をきっかけに、MOOK「テニ
-
2024-05-03
『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2023-04-03
『テニスの心理学~“心”技体を鍛えてメンタルタフになれ!』(佐藤雅幸著)
Tennis Magazine extraシリーズの最新刊『
Pick up
-
2024-12-12
サービス第二弾!テニス丸ごと一冊サービス [技術の修正](堀内昌一 著)12月25日(水) 書籍&電子書籍同時発売
テニス丸ごと一冊サービス [技術の修正](堀内昌一 著)20
-
2024-12-12
テニスマガジン今後の予定(部活および新刊情報)
CHECK1テニスマガジンONLINEテニス界の最新情報を毎
-
2024-10-08
テニス丸ごと一冊サービス[増補版] QRコード(動画)付(堀内昌一 著)書籍&電子書籍
「テニスマガジン」のサービス特集をきっかけに、MOOK「テニ
-
2024-05-03
『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2023-04-03
『テニスの心理学~“心”技体を鍛えてメンタルタフになれ!』(佐藤雅幸著)
Tennis Magazine extraシリーズの最新刊『