ロックダウンを経てオーストラリアでプロテニスが再開へ
オーストラリアのテニス選手たちは今週末のシドニーで始まり来週から全国の都市で続く「UTRプロシリーズ」で、3月以来となる賞金をかけての競技を行う機会を手にすることになる。
女子世界ランク1位のアシュリー・バーティ(オーストラリア)は練習に集中するということで、これに参加する意図はないようだ。元USオープン優勝者のサマンサ・ストーサー(オーストラリア)はオーストラリアに拠点を置く男女のための大会で、8月まで続く予定のシリーズに参加する準備があると伝えられている。
新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックの間はトップレベルのテニス大会は中断しているが、非公式大会は開催されている。その中のひとつでノバク・ジョコビッチ(セルビア)が主催したセルビアとクロアチアでのチャリティ大会「アドリア・ツアー」は、ジョコビッチ本人と他の参加者たちがウイルス検査で陽性と診断されたことで打ち切りが決まっていた。
症状が出ていないとはいえ陽性を示したジョコビッチは、14日間の自主隔離を実施すると話している。
USオープンは8月31日から無観客で開催されることが決まり、本来の5月から延期されたフレンチ・オープンは9月27日から始まる予定になっている。
オーストラリアの選手たちはナショナル・テニスアカデミーで練習に戻っており、この数週間でこの国のテニスは人と人の間に十分な距離を取るガイドラインを遵守した上で再開されていた。
テニス・オーストラリア(豪州テニス協会)の最高責任者(CEO)であるクレイグ・タイリー氏によれば、主催者は多くの厳格な手順を採用したこの新しい国内シリーズのために綿密に計画を立ててきた。大会ではコートに入る人数を制限し、選手の健康診断を義務付け、自分のタオルを持ち込むなどの策が取られている。
「テニスシーズンの残りがどうなるかがまだ不確かな中で開催するUTRプロテニスシリーズを通しての我々の目標は、選手たちが競技を行うチャンスを提供すること、そして重要ななのは賞金を稼ぐ機会を与えることです。彼らは数ヵ月に渡り、人生を捧げてきたスポーツで生活費を稼ぐことができないでいたのです」とタイリー氏は声明文の中で述べた。
「我々のチームは厳格に定められた地元の生物学的安全策の手順に従って大会を運営するため、政府当局や国中のテニス関係者と手を取り合って取り組んでいます」
パンデミックによるロックダウンのあと、オーストラリアの大部分での規制は少しずつ解除されつつある。しかし先週にウイルスのホットスポットとして浮上したメルボルンの一部では、規制緩和が遅れている。
3月から他国に対して国境を閉鎖しているオーストラリアは、水曜日にメルボルンで80代の男性がなくなったときに今月初の死者を記録した。これでオーストラリアのCOVID-19による死者の数は、総計103人となった。(C)AP(テニスマガジン)
※写真はオーストラリアン・オープンでのサマンサ・ストーサー(オーストラリア)(Getty Images)
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