ロラン・ギャロスで「無観客開催はない」とフランステニス連盟会長が明言

まだ不明な部分も残ってはいるものの、9月27日から10月11日に渡って行われるフレンチ・オープンについてフランステニス連盟(FFT)のベルナール・ジウディセリ会長は、ロラン・ギャロスは観客ありで開催される予定であると明言した。

 フランスのレキップ紙によれば、ジウディセリ会長と大会ディレクターのギー・フォルジェ(フランス)が出席した電話会議の際にフランスプレスが質問し、ジウディセリ会長は「ATP(男子プロテニス協会)、WTA(女子テニス協会)、ITF(国際テニス連盟)と協力し合って日程を決めるために建設的に仕事をしたおかげで、ロラン・ギャロスはほぼ普通のコンディションで開催できることになりそうだ」と答えた。

 大会を中止せず延期するという最初の決断について、「我々はロラン・ギャロス、そしてクレーコートシーズンを救うチャンスを自らに与えた。またそれはフランステニスの“肺”でもあり、我々のスポーツにとって非常に重要なのです」とジウディセリ会長は語った。

 ロラン・ギャロスの開始日が9月27日に決まり、おかげでUSオープン終了日からフレンチ・オープンまでの間隔は2週間となった。これを受けて通常は5月に開催されるマドリッド・オープンは、6月17日に大会を2020年9月12~20日に行うと発表した。フレンチ・オープン前のウォームアップ大会であるクレーコートのマドリッド・オープンは、ATPマスターズ1000とWTAプレミア・マンダトリーの大会だ。

 続く9月20~27日には、通常やはり5月にマドリッドに続いて行われるイタリア国際の開催が予定されており、フレンチ・オープン前の前哨戦がラインナップした。USオープン2週目と重なるが、より規模の小さいジェネラリ・オープン(ATP250/オーストリア・キッツビューエル/クレーコート)も今のところ開催を予定している。つまりUSオープンで2週目に勝ち残れなかった選手は、この大会に出ることもできるのだ。

 当初9月20日と言われていたフレンチ・オープン開始日を1週間遅らせたことで選手たちは準備しやすくなったが、問題もある。9月末から10月初頭のパリで、プレーできるレベルの自然光は20時までもたない。

 これに対して大会ディレクターのフォルジェは、「12面のコートを照明付きにする」と対策を示した。彼はまた、ドローの縮小はなく試合の組み方に工夫が必要となるだけだと説明した。

「過去に試合が21時や22時を超えることは稀だったから、開始時間は例年通り11時を予定している。男女シングルス、男女および混合ダブルス、大会の一部である予選、車いすテニスもある。唯一不確かなのは予選ドローで、おそらく128人ではなく96人に縮小されるかもしれない。また、レジェンド部門に関する選択を迫られることになるだろうと考えている」

 ジウディセリ会長はフレンチ・オープンのチケット売り出しは6月末から7月初頭を予定しており、「無観客ということは絶対にない。観客の数についてはまだ最終決定に至っていないが、行政権力と合意した上で決められる。その面に関して、推定数を出すにはまだ時期尚早だ」とコメントした。

 感染予防策に関しては詳細が詰められていないが、「固定のモデルはない。 もちろんプレイヤーとその側近やスタッフなど他の人々、そして言うまでもなく一般の観客の健康面での安全を確保した上で大会を開催できるようにするつもりだ」 と言及した。

 フレンチ・オープンが秋に移ったことで通常10月末に行われる室内ハードコートのパリ・マスターズはどうなるのかという疑問が浮かぶが、大会はキープされ、現時点で開催日程は11月2~8日(予選は10月31日開始)となってる。

 7週間の間にシンシナティ、マドリッド、ローマと3つのマスターズレベルの大会とふたつのグランドスラム大会が行われたあと、パリ・マスターズに出場する選手がどれほどいるかという心配もあるが、フォルジェは「トップ100のうち75人は欧州人で、その大部分が欧州に住んでいる。選手たちはロラン・ギャロスに活気づけられたパリによい体調でやってくるため、体のコンディションをキープする術をしっていると私は信じている」と話した。(テニスマガジン)

※写真は昨年のフレンチ・オープンの男子シングルス表彰式でのベルナール・ジウディセリFFT会長(右)(Getty Images)

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