ロックダウン解除のフランスでテニス選手たちが練習再開、予防策を徹底
ニコラ・マウ(フランス)はかつてテニス史上最長の試合の際に、コート上で3日を費やした。しかし水曜日の彼にとって、軽い1時間の練習をすることでさえかなりのチャレンジとなった。
それは彼が新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックのために何週間も自宅で過ごしたあと、練習に戻ろうとしていたからにほかならない。フランスで3月17日に始まったロックダウンは5月11日に終わり、マウや他のプロ選手たちは極めて用心深くコートに戻ってきた。
この日のマウは練習パートナーのグレゴワール・バレール(フランス)を相手に、スピードにバリエーションを与えながらショットを交わし合った。
「ふたたびテニスをプレーして気持ちがいいよ。プレーヤーもコーチも、皆がボールを打つことができず寂しい思いをしていた」とフレンチ・オープンの会場であるロラン・ギャロスにほど近いトレーニングセンターで練習したあとにマウは感想を述べた。
「気をつけなくてはいけないのは、ケガをしてしまうことだ」とマウは続けた。「僕たちは軽く1時間ほど練習しただけだが、それだけですでにちょっとした痛みが出たからね」。
これはマウや他の多くのアスリートたちにとって、前例のない活動中止期間だった。
「特殊なのは、これが故障時のようなものでもないということだ。故障した者は、ツアーから5~6ヵ月くらい離れることもある。でも今回のは、それとは違う感覚だった」と彼は説明した。「僕らは休暇中だった訳じゃない。外出を制限されていたすべての人々にとって、それは休暇とはかけ離れていた。そして僕らは、故障していなかった。対処がすごく難しい状況だったよ」。
そして感染予防のために新しく義務付けられた対策についても、同じく奇妙に感じられた。その中には椅子に座らない、対峙する相手とは違うボールを使う、練習のあとネットコードを消毒薬で拭くために手袋をつけることなどがある。
「できれば早いうちに、普通の状況の中でトレーニングできるようになって欲しいよ」とマウは本音を漏らした。「でも、規則は尊重しなくてはならないからね…。僕らはプレーに戻れただけで十分幸運だ」。
フランスではテニスなど個人スポーツは予防策をとることで練習再開を許されたものの、サッカーなどのチームスポーツや柔道などの接触のあるスポーツはまだ練習を許されていない。
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