ATPのガウデンツィ会長は今年中のツアー再開を諦めず「楽天的な考えを持ち続けたい」
ATP(男子プロテニス協会)のチェアマンを務めるアンドレア・ガウデンツィ(イタリア)は、少し前にラファエル・ナダル(スペイン)がやんわりと示唆したように新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で2020年シーズンが終わってしまったと結論づけるのは時期尚早だと考えている。
例えば今年のシーズン再開について「非常に悲観的だ」と語ったナダルのように、テニス界にはツアーが2021年前に元に戻ることができると信じていない者がいる。しかしATP責任者のガウデンツィ氏は、まだ今年中に再開するオプションを保っていた。
「今この時点で、中止しようと決めるのは賢明ではないだろう」とガウデンツィ氏はロイター通信に対するインタビューの中でコメントした。「これからどうなるか誰にも分からない。我々は楽天的な考えを持ち続けたい」。
インタビューの中でガウデンツィ氏は、「7月のウインブルドン後の大会については、開催するか否かを決断する締め切りを5月15日にセットした。そして8月の大会については、6月1日にどうするか決めようと思っている」と話した。
「そんな訳で、我々は(大会の)6~8週間前に決断を下すよう努める。それより前に決めるのは、愚かだと思う」
USオープン主催者の全米テニス協会(USTA)は、8月31日から9月13日の開催予定をまだ変えてはいない。
「彼らの決断の発表は、もう少しあとになるだろう」とガウデンツィ氏は私見を述べた。「アメリカの連戦については、6月初頭により多くを知ることになるだろう」。
現役時代にシングルスの世界ランク18位になったこともある元ツアープロのガウデンツィ氏は引退後にボローニャ大学で法学を学び、モナコの国際大学でMBAを取った人物で、2019年に男子ツアーの会長(チェアマン)に任命された。
「旅行の制限に関し、すべての国が同じひとつのポリシーに沿うというのは考えにくいことだ。例えばオーストラリアは今、恐らくイギリスとはまったく違った状況だろう。スウェーデンを見てみると、まったく違ったアプローチの仕方をしている。スウェーデンでなら今日にでも大会をプレーできるだろう。でもこのご時世で、100人の選手がスウェーデンに旅できるだろうか? 違うだろう。それがチャレンジなんだ」とガウデンツィ氏は語った。
7月半ばまで男女のツアー大会やデビスカップとフェドカップの試合が延期またはキャンセルされているが、8月の大会であるロジャーズ・カップの女子の部はすでに中止を決定した。また9月25~27日にアメリカ・ボストンで開催予定だったATP公認のチーム戦「レーバー・カップ」も今年の開催を断念し、ボストン大会は2021年9月24~26日に期日を変えて行われることになった。
※写真はイメージ(Getty Images)
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