ミックスダブルスの勝ち方&考え方〜元全日本混合V3、綿貫裕介&二宮真琴ペアから学ぶ

相手女性サーバーのリターンゲーム編

男性&女性側の視点|相手前衛の動きをストレートアタックで止める

綿貫 相手前衛の男性側は、サービス時にかなり動くと思います。理由は、女性のサービスは男性に比べて威力がなく、前衛の動きでプレッシャーをかけたいからです。

 要は、レシーバーの集中をそらす作戦です。これは自陣女性側にも同じことをするでしょう。ペア結成当初、僕もこの作戦にはまりました。相手女性のサービスのスピードが遅く、さらに前衛の男性が動くことで気が散ってしまいました。リターンの精度が雑になったところをポーチで決められたりして、ラリーでリズムをつくる展開にもち込めなかったことがあります。

 その解決方法として、動く前衛のボディー付近にストレートアタックを打ち込むこと。これによって相手の足を止め、試合の流れを変えます。

二宮 女性側も同様で、相手前衛の動きをどう止めるかが鍵になります。この状況は女子ダブルスでもよくある場面ですが、女性側がひとつやりやすいのは、ターゲットとなる男性は、女性よりも体格が大きく、ボディ付近が狙いやすいことです。

 デュースサイドからリターンする場合は、相手のフォア寄りのボディ付近を狙います。窮屈な体勢でボレーさせる状況をつくりましょう。

相手前衛の男性はレシーバーの視界に入るように動いてくるはずなので、ストレートアタックなどで動きを防ぎ、相手の足を止める

Check!|リターンゲームでリズムをつくる

二宮 私は女ダブも含め、リターンゲームでリズムをつくるタイプです。綿貫選手もリターンが得意な選手で、お互いにリターンゲームでラリーすること、ゲームメイクすることで波に乗れます。リターンゲームを取れば、試合に勝つ可能性も高くなるし、リードしたことでサービスゲームものびのびプレーできると思います。

リターンゲームを先に制すれば、自陣のサービスゲームもテンポがよくなる

守備範囲は5:5がベース

 ダブルスは、攻守ともに「自分ができること」を第一に考えるべき。ミックスダブルスでよくある話は、男性が女性をカバーするもの。「パートナーの守備範囲が狭いからカバーしなきゃ」という意識もわかるが、そればかりフォーカスすると自分が守るべきエリアをおろそかにしてしまう。カバーされた女性は守備範囲の基準がわからなくなり、最悪はセンターのボールをお見合いするようなミスも…。ミックスダブルスも男女ダブルスと同様に守備範囲は5:5の対等が望ましい。

センター付近の浅いボールは攻撃力があるほうが処理する

 守備範囲という面で、センターに返ってきたときのチャンスボールの処理はあらかじめどちらが打つか決めておこう。例えば、ストローク戦で2バックを敷いた場合、チャンスボールが飛んでくる状況は絶好のチャンス。このチャンスを連係ミスで落とすとペアとしてのダメージも大きくなる。このようなシチュエーションをパートナーと事前に話し合い、「攻撃力があるほうが処理する」などルール決めしておくと、コンビネーションはさらによくなる。

アドサイド|綿貫裕介

「僕はアドサイド。ほかのペアも女性がデュースサイド、男性がアドサイドが多いですね。理由はアドサイドのほうがブレークポイントなど、大事な場面が多く、攻撃を仕掛けやすいからです。弟の陽介と組む男子ダブルスはデュースサイドでプレーしています」

デュースサイド|二宮真琴

「ミックスも女ダブもデュースサイドです。アドサイドのリターンがあまり得意じゃないのも理由ですが、一番は自信があるフォアハンドが打ちやすいから。たとえアドサイドだったとしても、回り込むことができるボールは必ずフォアハンドで打ちます」

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