木本知_“強気”や“勢い”だけで臨んではいけない❗️ タイブレークの戦い方

タイブレークに強い人と弱い人がいると言われます。それをメンタルが強いか弱いかだけで片付けず、目に見えない内面的なものは省いて、ここではタイブレークに勝つためにやるべきことを考えます。【テニスマガジン2018年12月号掲載記事】

指導◎木本 知

きもと・さとる◎1961年6月13日生まれ。オールサムズテニスクラブ〜南フロリダ大学男子テニスチーム・アシスタントコーチを経て、志津テニスクラブへ。現在は志津テニスクラブ代表、㈲ケイエムティー代表取締役、千葉県テニス協会ジュニア委員会強化部長。ジュニア育成に力を注ぎ、36年のコーチ歴で主な指導選手は岩見亮、寺地貴弘、石井弥起、山外涼月など、多数の日本トッププレーヤーを輩出している

写真◎菅原淳、Getty Images イラスト◎サキ大地

タイブレークの基本的なルール

【タイブレーク・セット】

 相手より2ゲーム以上の差をつけて、先に6ゲーム取ったプレーヤー・チームがそのセットの勝者となる。ただし、スコアが6ゲームオール(6-6)になった場合はタイブレーク・ゲームを行う。

【タイブレーク・ゲーム】

 「ゼロ」「ワン(1)」「ツー(2)」「スリー(3)」…と得点を数える。相手より2ポイント以上の差をつけて先に7ポイントを取ったプレーヤー・チームがそのタイブレーク・ゲームとセットの勝者となる。2ポイントの差がなければ、2ポイントの差がつくまで続ける。

【サービスを打つ順番】

 6-6なら第13ゲームでサービスを打つプレーヤーが、タイブレーク・ゲーム第1ポイントのサーバーとなる。続く2ポイントは、相手がサーバー(ダブルスではサービスを打つ順番のプレーヤー)。その後はタイブレーク・ゲーム終了まで、2ポイントごとに相手とサービスを交代する(ダブルスでは、そのセット中と同じ順番でサービスを打つ)。6ポイントごとにエンドを交代する(第1ポイント後、4ポイントごとにエンドを交代する方法もある)。

【タイブレーク後のサービスの順番】

 タイブレーク・ゲーム第1ポイントのサーバーは、次のセット第1ゲームのレシーバーとなる。

※資料◎テニスルールブック(JTA)

Lesson 1
タイブレークはスーパージャンケン

タイブレークは何が起こるかわからない

 ジュニアや一般プレーヤーは、多くが1セットマッチ(6-6)のタイブレーク、または8ゲームマッチ(8-8)のタイブレークという試合方法が多いと思います。

 まずイメージしてほしいのは、タイブレークに入る前に、リードしていて追いつかれてタイブレークに入ったのか、それともリードされていて追いついてタイブレークに入ったのか、それとも、お互いにサービスキープしていて、先行していたほうか、それとも後行だったかなどのケースです。

 試合には流れがあり、そうすると多くの場合は追いついたほうに流れがあり、有利と考えられます。しかし、それが答えということは決してありません。

 タイブレークとは、私は“スーパージャンケン”だと思います。6-6または8-8となり、そこでお互いがリセットして、ジャンケンポンでカードを出すので、つまり何が起こるかは結局のところわからないのです。そのようなものを、どうやって戦えばよいかいっしょに考えてみましょう。

続きを読むには、部員登録が必要です。

部員登録(無料/メール登録)すると、部員限定記事が無制限でお読みいただけます。

いますぐ登録

Pick up

Ranking of articles