ケニンが2020年のWTA最優秀選手賞を獲得、アザレンカはカムバック賞

写真はオーストラリアン・オープン女子シングルス優勝を決めた翌日に行われたフォトセッションでのソフィア・ケニン(アメリカ)(Getty Images)

WTA(女子テニス協会)が2020年シーズンのWTAプレーヤーアワードの受賞者を発表し、2020年オーストラリアン・オープン優勝を遂げたソフィア・ケニン(アメリカ)が最優秀選手賞に選ばれた。ケニンは2月のメルボルンでグランドスラム初タイトルを獲得し、10月のフレンチ・オープンでは準優勝を果たした。

 アメリカ・フロリダ州に拠点を置く22歳のケニンは2020年にプレーした3つのグランドスラム大会――ウインブルドンは新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックのため第二次世界大戦以来となる中止となった――で16勝2敗の戦績を残し、キャリア最高の世界ランク4位でシーズンを終えた。

 米国時間8日に発表されたこの賞は国際メディアの投票によって決められ、ケニンのほかにビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)がカムバック選手賞に、イガ・シフィオンテク(ポーランド)がもっとも上達した選手賞に、ナディア・ポドロスカ(アルゼンチン)は最優秀新人賞に、ティメア・バボス(ハンガリー)/クリスティーナ・ムラデノビッチ(フランス)は最優秀ダブルスチーム賞に選ばれた。

 最優秀コーチ賞も発表され、シフィオンテクを指導するピオトル・シェルツプトウスキー氏が選ばれた。また選手による投票で選ばれる2つのカテゴリーでは、マリー・ブーズコバ(チェコ)がカレン・クランツケ・スポーツマンシップ賞、そしてWTA選手評議会のメンバー10人はピーチー・ケルマイヤー・プレーヤーサービス賞を受賞した。

 2020年が始まるまでグランドスラム大会で11勝11敗だったケニンは、2019年フレンチ・オープンでのベスト16が最高成績だった。しかし彼女はシーズンの序盤にオーストラリアン・オープン準決勝で世界ナンバーワンのアシュリー・バーティ(オーストラリア)を、決勝で元世界1位のガルビネ・ムグルッサ(スペイン)を倒してライジングスターとしての自らの到来を高らかに宣言したのだった。

 この勝利でケニンは、マリア・シャラポワ(ロシア)が20歳で栄冠に輝いた2008年以降でもっとも若いオーストラリアン・オープン優勝者となった。大会後に初めてトップ10入りしたケニンは、2002年に20歳でそれをやってのけたセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)以降でもっとも若いアメリカ人女子選手となった。

 ツアー再開後のケニンはUSオープンで4回戦に進出し、パンデミックのため10月に延期されたフレンチ・オープンでは決勝でシフィオンテクに敗れはしたが準優勝を飾った。

 ロラン・ギャロスでの魔法の2週間の前にはツアーレベルの大会でタイトルを獲得したことがなかった19歳のシフィオンテクは、1セットも落とすことなくフレンチ・オープンを制して世界17位で今季を終える大躍進を遂げた。

 23歳のポドロスカもまたパリでブレークを果たし、シフィオンテクに敗れたが131位の予選勝者ながら準決勝に進出するセンセーションを巻き起こした。

 アザレンカは8月にウェスタン&サザン・オープンで約4年ぶりのタイトルを獲得し、それからUSオープンで大坂なおみ(日清食品)に敗れたものの7年ぶりにグランドスラム決勝の舞台に戻ってきた。元世界1位のアザレンカは出産のため2016年に一度ツアーを離れ、復帰後は1試合も勝てずに1年を過ごすなどの困難な時期を経験していた。

 ムラデノビッチとバボスはオーストラリアン・オープンとフレンチ・オープンで優勝し、グランドスラムのダブルスでシーズン2冠を達成した。(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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