ケニンが2020年のWTA最優秀選手賞を獲得、アザレンカはカムバック賞

アメリカ・フロリダ州に拠点を置く22歳のケニンは2020年にプレーした3つのグランドスラム大会――ウインブルドンは新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックのため第二次世界大戦以来となる中止となった――で16勝2敗の戦績を残し、キャリア最高の世界ランク4位でシーズンを終えた。
米国時間8日に発表されたこの賞は国際メディアの投票によって決められ、ケニンのほかにビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)がカムバック選手賞に、イガ・シフィオンテク(ポーランド)がもっとも上達した選手賞に、ナディア・ポドロスカ(アルゼンチン)は最優秀新人賞に、ティメア・バボス(ハンガリー)/クリスティーナ・ムラデノビッチ(フランス)は最優秀ダブルスチーム賞に選ばれた。
最優秀コーチ賞も発表され、シフィオンテクを指導するピオトル・シェルツプトウスキー氏が選ばれた。また選手による投票で選ばれる2つのカテゴリーでは、マリー・ブーズコバ(チェコ)がカレン・クランツケ・スポーツマンシップ賞、そしてWTA選手評議会のメンバー10人はピーチー・ケルマイヤー・プレーヤーサービス賞を受賞した。
2020年が始まるまでグランドスラム大会で11勝11敗だったケニンは、2019年フレンチ・オープンでのベスト16が最高成績だった。しかし彼女はシーズンの序盤にオーストラリアン・オープン準決勝で世界ナンバーワンのアシュリー・バーティ(オーストラリア)を、決勝で元世界1位のガルビネ・ムグルッサ(スペイン)を倒してライジングスターとしての自らの到来を高らかに宣言したのだった。
この勝利でケニンは、マリア・シャラポワ(ロシア)が20歳で栄冠に輝いた2008年以降でもっとも若いオーストラリアン・オープン優勝者となった。大会後に初めてトップ10入りしたケニンは、2002年に20歳でそれをやってのけたセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)以降でもっとも若いアメリカ人女子選手となった。
ツアー再開後のケニンはUSオープンで4回戦に進出し、パンデミックのため10月に延期されたフレンチ・オープンでは決勝でシフィオンテクに敗れはしたが準優勝を飾った。
ロラン・ギャロスでの魔法の2週間の前にはツアーレベルの大会でタイトルを獲得したことがなかった19歳のシフィオンテクは、1セットも落とすことなくフレンチ・オープンを制して世界17位で今季を終える大躍進を遂げた。
23歳のポドロスカもまたパリでブレークを果たし、シフィオンテクに敗れたが131位の予選勝者ながら準決勝に進出するセンセーションを巻き起こした。
アザレンカは8月にウェスタン&サザン・オープンで約4年ぶりのタイトルを獲得し、それからUSオープンで大坂なおみ(日清食品)に敗れたものの7年ぶりにグランドスラム決勝の舞台に戻ってきた。元世界1位のアザレンカは出産のため2016年に一度ツアーを離れ、復帰後は1試合も勝てずに1年を過ごすなどの困難な時期を経験していた。
ムラデノビッチとバボスはオーストラリアン・オープンとフレンチ・オープンで優勝し、グランドスラムのダブルスでシーズン2冠を達成した。(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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