「コーチは敗戦の責任を負い、選手は勝利の功労者」名コーチ、ボブ・ブレット逝く
![](https://images.tennismagazine.jp/media/article/14373/images/main_7dc6a7043bd59dac5bbce3304f123d69.jpg?w=850)
水曜日にブレット氏の家族から彼の死を知らされたあと、テニス・オーストラリア(豪州テニス協会)はこのオーストラリアの名コーチに捧げる賛辞を発表した。ブレット氏にはキャロラインとカタリナというふたりの娘がおり、晩年の彼は癌と戦っていた。
「ボブ・ブレットの逝去は、テニス界にとって大きな喪失です」とテニス・オーストラリアの最高経営責任者(CEO)を務めるクレイグ・タイリー氏はコメントした。「彼は並外れたコーチであり、多くの人々から敬意を受けている人物でした。ボブはグランドスラムのチャンピオンから彼が心から愛したこのスポーツを始めたばかりの者まで、あらゆるレベルの人々を成功へと導きました」。
コーチとしてテニス界で多大な功績を残したブレット氏は先月、2020年ATPアワードでティム・ガリクソン・キャリアコーチ賞に満場一致で選ばれていた。
ベッカー、イバニセビッチ、チリッチや他の個々の選手たちとともに働いただけでなく、ブレット氏はイギリス、日本、カナダのテニス協会のためにも指導を行った。彼はまた、イタリアのサンレモにプライベートのテニスアカデミーを設立した。
1987年11月から1991年2月までベッカーのコーチを務めたブレット氏は、この期間にベッカーのグランドスラム6勝のうち3つのタイトル獲得と世界ナンバーワンへの浮上を実現させた。
ブレット氏へのオマージュは、ソーシャルメディアを通してテニス界全体から集まった。
「ボブ・ブレットの訃報を知り、非常に悲しく思います。私は彼と6年間ともに働き、彼は私がコーチとしてまだ駆け出しだった時期に本当に多くのことを教えてくれました」とセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)のコーチとして知られるパトリック・ムラトグルー氏はツイッターに投稿した。
元ダブルス世界ランク1位でオーストラリアン・オープンの元最高責任者であるポール・マクナミー(オーストラリア)は、ブレット氏について「最高のコーチであり、素晴らしい男。決して変わらない生粋のよきオージーだった」と表現した。
「彼はホップマン・テニスアカデミーの伝説のコーチだ。彼はそこでピーター・マクナマラ(オーストラリア)や私を含めた数えきれないほどのプレーヤーたちを大いに手助けし、我々をツアーでもしばらくの間コーチしてくれていた」とマクナミーは語った。
「彼はホップマン、バリー・フィリップス ムーア、トニー・ローチ、ダレン・ケーヒルのようなオーストラリアの偉大なコーチたちと肩を並べる“隠れた英雄”だ。彼の娘さんとご家族に心からお悔やみを申し上げたい」
テニス・オーストラリアはブレット氏からのコメントを引用することで、彼の仕事へのアプローチについて説明した。
「コーチとして人々を導き、彼らに例を挙げて歴史について語ることはできます。しかし結局のところ、それはただ彼らが持つ能力を引き出しているだけなのです。コーチは敗戦の責任を負い、選手は勝利の功労者なのです」(C)AP(テニスマガジン)
写真◎菅原 淳 / テニスマガジン
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