オーストラリアン・オープン主催者は「予定通り行われる」ことに自信

写真は木曜日に行われた記者会見でメディアに話す前にマスクを取るオーストラリアン・オープン大会ディレクターのクレイグ・タイリー氏(Getty Images)

ホテルで検疫のため働いていたスタッフが新型コロナウイルス(COVID-19)の検査で陽性と判定されたため、160人の選手が隔離に戻ることになった。

 今週開催されている男女合わせて6つ前哨戦は木曜日に一時中断し、オーストラリアン・オープンに関わる507人の人々がウイルス検査を受けた。しかしどうやら、心配する必要はないらしい。

 オーストラリアン・オープン主催者の気持ちはまったく揺らいでいなかったようで、彼らは前哨戦を金曜日から日曜日の間に完了させた上でオーストラリアン・オープンは予定通り月曜日から開始すると保証した。

 1日のプレー中断は「十分以上に慎重を期して」実施したものであるとビクトリア州首相、保健当局の責任者、オーストラリアン・オープン大会ディレクターのクレイグ・タイリー氏は口を揃えた。

 タイリー氏は木曜日の記者会見の際に、「オーストラリアン・オープンは予定通り行われるということに絶対的自信を持っています」とほとんど無人となったメルボルン・パークを背景にして明言した。「我々は大会を月曜日に開始します。時間を変更するつもりはありません」。

 ここ最近の問題と比べても、いわゆる「ハッピースラム」と呼ばれるこの大会の準備はすでに混沌としている。主催者とプレーヤーはここ何年かは猛暑に対処しなければならず、2020年には山火事からの煙が大会に先立つ時期に影を落としていた。

 誰もが状況に適応し、ショーは予定通り行われた。昨年の大会ではノバク・ジョコビッチ(セルビア)が記録的8度目の優勝を果たし、ソフィア・ケニン(アメリカ)はグランドスラム初タイトルを獲得した。

 その2ヵ月後、フォーミュラ1(F1)のオーストラリアグランプリが土壇場でキャンセルされ、F1のシーズンは混乱したスタートを切った。しかしタイリー氏は、テニスがF1グランプリのように横道にそれることはないという点に自信を持っていた。

「我々が計画した大会が予定通り進められるということに私は自信を持っています。問題となる可能性は非常に低いでしょう」とタイリー氏はコメントした。

 今回の一件に関係する160人の選手は午後5時までに検査を受け、金曜日のオーダー・オブ・プレーはそのあとの時間帯にリリースされるとタイリー氏は説明した。オーストラリアン・オープンのドロー抽選は約24時間遅れ、金曜日の午後に行われる予定に変更された。

 しかし天気予報によれば金曜日のメルボルンは風が強く雨が降り、雷雨に見舞われる可能性がある。悪天候はすで過密になっているスケジュールにとって、大きな問題を引き起こすかもしれない。ところがこのような天気予報も、タイリー氏を心配させてはいなかった。

「我々はこの大会のために長い時間をかけて練ってきたプランに関し、非常に先を見越した計画づくりをしています」と彼は胸を張った。

 現在のプランではオーストラリアン・オープンの期間中、メルボルン・パークは毎日最大3万人の観客を受け入れることになっている。ここまでのところ、このプランを変更する予定はない。

 この最新の問題は、すでに2週間の検疫期間を潜り抜けた選手たちの不屈の精神を試すだけではない。オーストラリアではコントロール下に置かれていたが、多くの国で新規感染者数が急増していた時期に世界各国から1200人の人々の入国を許した政府の決断への批判を引き起こすかもしれない。

 国内でのCOVID-19関連の死者は909人だが、そのうち820人がビクトリア州から出ている。そのほとんどは甚大な被害が出た昨年の第2波の間に発生し、その時期の首都メルボルンでは夜間外出禁止令とロックダウンの措置を取っていた。(APライター◎ジョン・パイ/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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