「小鳥のように羽ばたいた」ナダルに逆転勝利でベスト4のチチパス [オーストラリアン・オープン]

ナダルを倒し笑顔を見せたチチパス

今年最初のグランドスラム大会となる「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・ビクトリア州メルボルン/本戦2月8~21日/ハードコート)の男子シングルス準々決勝で、第5シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)が第2シードのラファエル・ナダル(スペイン)を3-6 2-6 7-6(4) 6-4 7-5で倒し、ベスト4進出を果たした。試合時間は4時間5分。

 ナダルはグランドスラムの試合で2セットアップとなった試合は223勝1敗という成績で、この準々決勝を迎えた。だが自分が犯したいくつかのミス、そしてチチパスによる魂のこもったプレーによって、その成績は223勝2敗となった。

 第3セットのタイブレークでは、らしくないスマッシュのミス、バックハンドのフレームショットがナダルの下降の始まりだった。そして21度目のグランドスラム優勝へのチャレンジは、若くキレのあるチチパスに敗れて終わった。


珍しく、重要な場面でミスが出たナダル

「いくつかの要素が重なってしまった。タイブレークでは、勝つためにはしてはいけないミスもした。帰って、また練習しないといけない」試合中につってしまった右のハムストリングをかばいながら、ナダルは記者会見場に現れた。

 試合の序盤は打ちたいところへしっかりボールをコントロールし、たやすくリードを奪った。サービスゲームで27連続ポイントし、グランドスラム連続セット奪取記録を「35」に伸ばし、ロジャー・フェデラー(スイス)の最高記録まであと「1」に迫った。

 ナダルとフェデラーは現在グランドスラム優勝20回で並んでおり、1800年代後半に始まったこのスポーツの歴史の中で男子の歴代最高記録である。

 しかし、チチパスが揺らぐことがなかった。そしてナダルが先を考えすぎたためなのか分からないが、タイブレークでの低調さから第3セットを落とし、大逆転劇のきっかけを作ってしまった。

「正直に言うと、立ち上がりはナーバスだった。でも、第3セットのあとは何が起きたのかよく分からない。小鳥のように羽ばたくことができたんだ。すべてが自分の思うようになった。最後の気持ちは言葉にできないほどだよ」とチチパスは振り返った。

「とても、とても高いレベルのテニス」とナダルが評するプレーをチチパスは第4、第5セットで見せた。それと同時に34歳のナダルのプレーレベルが著しく落ちた。

 ナダルは第1、第2セット合計で10本しかアンフォーストエラーをしていない。その後は第3セットで11本、第4セットは14本、第5セットは7本だった。

 ナダルがグランドスラム大会で2セットリードから敗れたのは、2015年のUSオープンでファビオ・フォニーニ(イタリア)と対戦したときだけだ。そのフォニーニは、今大会4回戦でナダルの前に敗退した。

 2019年の同大会準決勝での対戦では、ナダルはチチパスに6ゲームしか許さない圧勝だった。しかし今回、チチパスは4回戦で対戦するはずだった第9シードのマッテオ・ベレッティー二(イタリア)が腹筋を痛めて棄権していた。

 彼が中3日でこの試合を迎えたことに加え、12歳差が試合が長引き4時間に近づくにつれて体力的な差につながったのかもしれない。チチパスはこの数年、未来のスタート期待されてきたが、昨年10月のフレンチオープン準決勝でのノバク・ジョコビッチ(セルビア)戦のように、2セットダウンから最終セットに持ち込み、あわや逆転という名勝負を思い起こさせた。


激闘を終えて握手を交わすチチパスとナダル

 チチパスは第5セット5-5からナダルのミスに付け込んでラブゲームでブレークし、続くサービスゲームで3つ目のマッチポイントをバックハンドのウィナーで締めくくった。

「言葉にならない。今コートで起きたことを表現することができない。このレベルで戦い、すべてを出しきれたのは信じられない気持ちだ」とオンコートインタビューでは興奮を抑えきれない様子だった。

 ナダルがフェデラーと目指す21回目の優勝の代わりに、先へ進むのは22歳のチチパスだ。この派手なプレーを見せるギリシャ人は、金曜日の準決勝で2019年USオープン準優勝のダニール・メドベージェフ(ロシア)と対戦する。どちらもまだ、グランドスラム大会での優勝経験はない。(AP/構成テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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