「なおみがどうプレーするかはわかっている」大坂と決勝を戦うブレイディのゲゼラーコーチ [オーストラリアン・オープン]

準決勝を制した後は喜びのあまり膝から崩れ落ちたブレディ

2018年にケビン・アンダーソン(南アフリカ)をウインブルドン準優勝に導き、女子ではユリア・ゲルゲス(ドイツ)のコーチを務めた経験もあるミハエル・ゲゼラー(ドイツ)がジェニファー・ブレイディ(アメリカ)のコーチを引き受けたのは2019年のチャイナ・オープンからだった。

 トレーナーのダニエル・ポール氏らとともに、現在ブレイディのチームを形成している。オーストラリアン・オープンの決勝前日にゲゼラー氏が、ブレイディがいかに14日間の隔離を乗り越えたのか、また大坂との決勝について語った。

「大会に向けての準備は普通とは程遠いものだった。他の選手が1日5時間練習できるのに、何もできず15日間部屋に閉じこもりっぱなしだ。だが、適応してポジティブに過ごすしかなかった。毎日狭い部屋の中で、フィジオやトレーナーと毎日壁に立てかけたマットレスに向かって軽くボールを打ち、フィーリングだけでも感じられるようにした。何一つ文句を言わず、正しい姿勢で向き合った」


隔離が終わると1度だけコートで練習して、翌日にアシュリー・バーティ(オーストラリア)とのペアでダブルス1回戦に勝利。だが、バーティが太腿に不安を抱えていたため2回戦を棄権した

 準備期間の少なさはブレイディの前向きさで乗り越えてきたという。ほぼ初対面でコーチ契約を結び、この16ヵ月間ではすべての面でレベルアップしてきた。

「最初に会ったときから彼女の人格は素晴らしかった。今はすべての面でレベルアップしており、自分のゲームがどれだけ相手にとって危険になりえるか、自分のレベルをよく分かっている。コートでの動きはトレーナーとの二人三脚ですごくよくなった。ランやスライドの動きも是非見てほしい」

 決勝戦でナーバスになるのは想定済みで、すべての準備は完璧だという。

「彼女はオーストラリアの観客の前でプレーするのを物凄く楽しみにしている。初めてのグランドスラム決勝だが、アプローチはほかの試合と何ら変わらない。ナーバスになるだろうし、プレッシャーを感じるだろうが、それが普通であり、健康的なこと。どう対処すればいいかはわかっている。彼女はコートに出るのが待ちきれないだろう。準備は完璧だ」

 大坂との対戦は昨年9月11日のUSオープン準決勝に6-7(1) 6-3 3-6と敗れて以来4度目となるが、経験しているからこそ、そのショットの強さに驚くことはないという。

「なおみは疑いなく素晴らしい選手でリスペクトしている。昨年のUSオープンを制している。でも彼女が大事な試合、大きな舞台でどうプレーするかは分かっている。明日もうまくやれるはずだ。我々はトロフィーを獲るためにここに来ている」

  準備が完全に整ったというゲゼラー氏。果たしてブレイディは初の大舞台で大坂を相手にどのような戦いを見せるのか。(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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